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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
嫌悪の魔神

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不快感の原因

 僕はこれまでの経緯をシーちゃんに話してから、アラティの特殊能力について質問した。


「アラティの能力について、聞きたいのですか?」


 そう言ってから、シーちゃんは少し考え込んだ。


「私の権限で話せる事と話せない事がありますが、何をお聞きしたいのですか?」

「まず確認したいのですが、アラティ達魔神は、人の負の感情を(かて)にしていると聞いていますが、そうなのですか?」

「『糧』というのは、ちょっと違いますね。人間さんに分かりやすく説明する時に『糧』と表現していますが、実際には人間さんの負の感情によって魔神は存在しているという事です。負の感情を持った人間が増えるほど、魔神の存在が確定し、より強くなっていきます」


 糧ではない?


 つまり、負の感情を消費して魔神の活動エネルギーに変換しているというわけではないのか?


「ただ、負の感情と言っても色々とあって、それぞれの感情ごとに魔神がいます。例えばアラティの場合は嫌悪心、タンハーの場合は執着心。だからアラティは嫌悪心を、タンハーは執着心の強い人間を増やそうとします。今の人に分かりやすく例えると、ネット動画のフォロワー数とか、ネット小説のブックマーク数を増やそうとするみたいなものですね」


 一部の人にだけ分かりやすい例えだな。


「とりあえず、アラティは嫌悪心を持った人を増やしたいという事は分かりました。そのために、嫌われ者の寒太を利用しようとしている事も納得できます。ただアラティは、どうやって寒太に目を付けたのかが疑問なのです。そこでお聞きしたいのですが、アラティにはそういう人間を探し出す能力があるのですか?」

「確かに、アラティは嫌悪心の強い人間を感知する事ができます」

「なるほど。ただ、確かに寒太は人から嫌われるような行動をして、周囲の人々の嫌悪心を大きくしています。しかし、寒太自身の嫌悪心は、それほど強くないように思えるのです。あくまでも、僕の見た感じですが」


 僕がそういうと、シーちゃんはしばらく寒太を観察するように見つめた。


「確かに、寒太君の嫌悪心はそれほど強くないですね。大勢の人間の中からアラティが見つけ出すには、ちょっと弱いと思います」

「ではアラティはどうやって寒太を……」

「寒太君はどちらかというと、執着心や色欲が異常に強いです」


 執着心が強い? 


「ですから、先にタンハーが寒太君に目を付けて、アラティに教えたという事が考えられます」


 なるほどタンハーが『アラ姉の目的に利用できそうな奴を見つけたぞよ』とか言って、アラティに報告した可能性はあるな。


 そういう可能性もあるが……それより僕が気になっていたのは、寒太の家に入った時に感じた異様な不快感の原因だ。


 寒太の性格は継母によって歪められた。


 継母がそんな事をしたのは、寒太を社長に相応しくない人間に育て上げて自分の実子に社長を継がせるためという事になっているらしいが、本当の目的は……


「寒太の継母には、アラティ配下の悪霊が取り憑いているのではないかと思うのです。寒太をアラティの都合のいい人間に育てるために」


 そうだとすると、寒太の家で感じた不快な波動の説明が付く。


 あの不快な波動は、あの継母に取り憑いている悪霊から発していたんだ。

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