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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
嫌悪の魔神

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212/289

はらちがいの弟

 僕が荒木家から解放されたのは、それからすぐの事。


 解放前に、寒太の母から『寒太が見つかったら連絡してね。報酬は出すから』と言われて名刺を渡されたが、報酬はその場で断った。


 もちろん、報酬はいらないが連絡はするとは言ってある。


 しかし、寒太には釘を刺しておく必要があるな。


 迂闊な事を、樒に話さないようにと……


 報酬の事を聞いたら樒の奴、僕に黙って報酬を受け取りに行きそうだし……


「寒太」


 バイク置き場向かって歩く途中、釘を刺そうと思って、後ろから着いてくる寒太の方をふり向く。


 う! なんだ!? 寒太から漂う不快感が、さっきより強くなっている。


 悪霊化がさらに進行しているようだ。


 顔の表情もなんか暗い。


 家にいる時に何かあったのか?


「寒太……どうした? 気分でも悪いのか?」

「あのさあ……さっき俺、嘘をついたんだけど……」

「嘘?」

「ママと樫原の話、本当は聞いちゃったんだ」

「あの二人、何を言っていたんだ?」


 様子から見て、二人は寒太に聞かせたくない事を話していたようだったが……


「その前に聞きたいのだけどさ……『はらちがい』って何?」


 腹違い? なんで急にそんな事を聞くのだろう?


「俺は一人っ子だと思っていたのだけど……なんか、俺には、はらちがいの弟がいるみたいな事を言っていたんだ」

「え?」

「なあ、はらちがいの弟ってなんだ? 普通の弟と何が違うんだ?」

「簡単に言うと、お父さんは同じだけどお母さんが違う弟という事だよ」

「つまり……今のママとパパの間にできた子供がいるって事?」

「まあ、状況から考えてそういう事だろうな。で、その弟は今どこにいるのか聞いたのか?」

「ママの実家にいるって」

「寒太は、ママの実家には行ったことはないのか?」

「ないよ。なんでも、俺と会わせると弟に悪い影響があるから、実家なんかに連れていかないとか言っていた」


 そうだろうな。


「それと、弟にパパの後を継がせたいから、俺を後継ぎに相応(ふさわ)しくない人間に育てたとか言っていたけど……俺……後継ぎに相応しくないのか?」


 だんだんと見えてきたぞ。あの継母の魂胆が……


「寒太。おまえの本当のお母さんは、お前を生んですぐに出て行ったと言ったな。じゃあ今のお母さんは、いつやってきたんだ?」

「んん? 俺が小学校に入る時かな」


 もしかして、寒太がこんな嫌われ者になったのは、教育の失敗なんかではなく、継母によって、寒太は嫌われ者になるように教育されていたのではないのか?


 その目的は、寒太を社長に相応しくない人間に育て上げて、実の子を後継ぎにするため。


 そんな話を聞かされて、寒太の悪霊化はますます進行してしまったんだな。


 このまま完全に悪霊化してしまったら……


 そうか! アラティの目的が分かったぞ。


 奴の目的は、寒太の肉体なんかじゃない!


 寒太の霊を悪霊化する事だ。

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