表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
嫌悪の魔神

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

201/289

警官に囲まれてしまった

 不覚にも、僕と樒は警官に取り囲まれてしまった。


「樒。分かっていると思うけど、抵抗なんかするなよ」

「そんなバカな事しないわよ」


 強引に逃げる事もできなくはないが、そんな事をしても無駄。


 すでに僕らの顔は監視カメラに映っているし、逃げたらその後でタンハーが僕らの不利になる嘘を並べたてて僕らの立場は余計に悪くなる。


 それより、ここに(とど)まって弁明した方がいい。


 それに、取り囲んだ警官達の方も、僕らを見て困惑しているようだ。


 幼女から『助けて』と言われたから、助けに出てみたが相手は高校生の男女。


 幼女はガチの誘拐犯に追いかけられていたのか? 


 それとも悪ふざけなのか?


 判断に迷うところだろうな。


 警官達も、僕と樒が逃げられないように取り囲みはしたが、掴みかかってはこない。


 まあ、こっちも抵抗の素振りは見せていないからね。


 警官の一人が、部下らしき人の方を向いて怒鳴る。


「おい! 婦人警官はまだか!?」


 ああそうか。掴みかからないのは、下手に樒に掴みかかったらセクハラと騒がれるからだな。


 だから婦人警官の到着を待っているのか。


「ミニパトで巡回中でして」

「サイレン鳴らしてでも戻ってこい!」


 いや、サイレンってこんな状況で鳴らしていいのか?


「しょうがないな」


 警官はタンハーの方を振り向く。


「お嬢ちゃん。この人達かい? お嬢ちゃんを誘拐しようとしているというのは?」


 ん? 今気がついたが、寒太の姿がない!


 タンハーめ、ここで僕達を足止めして、寒太だけ逃がしたな。


「そうなの。この人達が、あたしとお兄ちゃんを誘拐しようとしているなの」


 おいおいタンハー……僕らの時と態度が全然違うじゃないか。  


 一人称代名詞を『わらわ』から『あたし』に変えて、語尾も『ぞよ』から『なの』に変えて……おまえはナノ魔神か!


「すごく怖かったなの」


 涙を目に浮かべるタンハー。


 中身が魔神だと知らなければ、誰でも騙されそうな可愛さだな。


「そうかそうか。もう大丈夫だからね」


 警官はタンハーの頭を撫でると、振り返って僕と樒を一瞥した。


「で、君達は、なんで妹さんを追い回していたのだい?」


 え? 妹?


「妹さんがどんな悪さをしたか知らないけど、家族間とはいえあんまり過剰なお仕置きをすると、犯罪になっちゃうよ」


 あ! 警官は、兄弟喧嘩か何かと思っていたのか。


 まあ、この状況見たら普通そう思うだろうね。


「いや、こいつは……」「妹じゃないし……」


 僕と樒の抗議を聞かないで、警官はタンハーの方を向く。


「お嬢ちゃんもね、いくら怖いからって、お兄ちゃんお姉ちゃんを誘拐犯とか嘘を言っちゃいけないなあ」

「違うなの! こいつらは、お兄ちゃんお姉ちゃんじゃないなの」


 警官は頭を抱えた。


「あのねえ……」


 警官は樒を指さした。


「こっちのお嬢さんは、背が高いけど高校生だろ」

「確かに私は高校生ですけど、背が高いが余計です」

「ああ、悪かった」


 警官は樒に謝った後、僕を指さす。


「こっちの子は小学生だろう。こんなコンビで誘拐なんて……」


 ムカッ!


「高校生です!」

「え? 高校生?」


 ええい! これが目に入らぬか! と、ばかりに僕は懐から、原付免許を出してかざした。


 警官は、僕の免許証をのぞき込むよう凝視する。


「そ……そうか。高校生か……そいつは悪かった。とにかく……」


 警官はタンハーの方へ向き直る。


「お巡りさんには、この二人が誘拐なんて凶悪な事をやる人には見えないのだがな」

「本当なの! こいつらは、あたしのお兄ちゃんを連れて行こうとしているなの!」


 警官は僕らの方を向く。


「ああ言っているが、そうなのか?」

「違います。僕達は……」

「待って、優樹」


 樒が僕のセリフを遮った。


「私達が、あの男の子を連れて行こうとしていたのは事実です」


 樒!? 何を言い出すんだ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なかなか興味深いテーマですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ