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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
嫌悪の魔神

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転校生への疑惑2

 降真亜羅がアラティなのだろうか?


 いや、そう決めつけるのはまだ早い。


「それで社君」


 司馬さんは、僕のスマホを指さした。


「降真さんの弟ではないのなら、その男の子は誰なの?」

「実は、霊能者協会関連の事なのであまり詳しくは話せないけど、この男の子は行方不明者なのだよ」

「行方不明者!? ひょっとして降真さんが誘拐? はっ! まさか、降真さんはショタコン?」

「いや、違うと思う」

「そうよね。ショタコンだったら、ここに極上の合法ショタがいるのに、手を出さないはずがないわね」


 誰が合法ショタだ!


 いや、そんな事にかまけている場合じゃない!


「とにかく、降真さんを追いかけないと」


 そう言った僕を司馬さんが引き留める。


「追いかけるのはいいけど、彼女の行き先分かるの?」


 はっ! そうだった。


「社君もそそっかしいわね。降真さんの電話番号とメアドなら知っているから、私からメールで連絡してみるね」

「分かった……あ! 待って」

「なに?」

「できれば、僕の名前は出さないで、他愛のない世間話を装って聞き出してくれないかな」

「え?」


 司馬さんはしばし考え込む。


「おお! そういう事ね」


 司馬さん……何を納得したんだ?


「つまり霊能探偵(やしろ)優樹(まさき)が捜査している事を、相手に悟られたくないと……」


 なんなんだ? その『霊能探偵』って?


「まあ、その子を捜している事を悟られたくないのは事実だけど……僕は別に探偵じゃないし……」

「似たようなもんじゃない。私今ね、社君をモデルにした『霊能探偵』って探偵小説のプロット書いているのよね」

「そ……そうなの……」


 な……なんか……この人のモデルにされるの、ヤダなあ……しかし、まあ協力してくれるなら文句は言えないし……


「まあ、とにかく電話してみるね。社君が絡んでいる事がばれないように」


 司馬さんはスマホを操作した。


 程なくして相手が出る。


「もしもし、降真さん。シバちゃんでーす。どーも。あのさあ、昨日私の店に来てくれたじゃない? あの時に連れていた男の子って弟だよね? え? 違うの?

 ふんふん! ふんふん! そうなんだ。いや、なにね。学校で昨日の話をしたら、降真さんが誘拐したのじゃないかなんて言う人がいたものだから、確認のために電話してみたのよ」


 司馬さんは僕の方を振り向く。


「降真さんの話ではあの男の子は弟ではなくて、道ばたで倒れていたのを見かねて助けたそうよ」

「それって、いつの話?」

「昨日のこと。助けた後、すぐに私の店に来てパンツを代えてあげたと……」


 作り話かもしれないが、事実でないとも言い切れない。


 本当に寒太は、アラティとはぐれてしまい、降真亜羅に偶然助けられたという可能性もなくはない。


「男の子は今どうしているか、聞いてみてくれるかな」

「いいよ。降真さん。男の子は今どうしているの? え? 家で保護している。それって、警察とか児相には伝えてあるの? え? 男の子が警察を嫌がるから伝えていない? それマズいよ。たとえ善意でも未成年者を勝手に家に連れ込んだら、誘拐になっちゃうって。まあ、私達も未成年だけど」


 司馬さんって、意外と法律に詳しいな。


「ふんふん! 分かった。それじゃあ後で」 


 司馬さんは電話を切った。


「今から私のバイト先で、相談する事になった。もちろん、社君の名前は出していないわよ」

「ありがとう、司馬さん。でも、一緒に来てもらっていいの?」

「いいもなにも、私も今日はバイトだから」


 そう言って司馬さんは、メモにバイト先の住所を書いて渡してくれた。


「店内にイートインもあるから、そこで客を装って張り込みしていても良いわよ」


 それは助かる。


 僕はこのことをメールで伝えると、昇降口で樒と落ち合った。


「優樹! メール見たけどどういう事? 転校生が寒太を連れていたって言うの?」

「そうなんだ。ただ……見間違えという可能性もあるけど……」

「優樹……ひょっとして、その転校生って……アラティ?」

「僕もそれを疑っている。とにかく、ここで話していてもしょうがない。会いに行ってみよう」 

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