表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
事故物件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

124/289

低俗番組

 不意に僕の目の前を、サラリーマン姿の浮遊霊が()ぎった。


「どうやら、結界が解除されたようね」


 千尋さんの視線が、浮遊霊の動きを追う。


 見えているようだ。


 浮遊霊は壁を抜けて出ていった。


「久しぶりに霊が見えたわ。私の能力は無くなっていなかったのね」


 樒が部屋に戻ってくる。


「お待たせ。結界解除しました」

「ご苦労さん」


 そう言って、千尋さんは僕の方を向く。


「私の能力に問題はなかったけど、肝心の自殺者の地縛霊がいないのは困るわ。かといって浮遊霊では、すぐにどっか行っちゃうから映しにくいし。君、適当な霊を呼び出してくれない」

「呼び出してどうするのです?」

「分かるでしょ」

「分かりません」

「は?」


 この状況で、何を分かれっちゅうんじゃ? 霊を見たいと言うのは分かるけど、なぜそこまでこだわるのだろう?


「ああ! メイクをしていないから分からないのね。テレビの前では着け睫毛を着けて、濃いアイシャドウをしているけど、私は六道魔入よ。分かるでしょ?」

「御船千尋さんじゃないのですか?」

「御船千尋は本名で、六道魔入は芸名なの」

「はあ……そうなのですか」


 よく分からないが、どうやら千尋さんは芸能関係の仕事をやっていて、本名以外に六道魔入という芸名があるらしいという事は分かった。


「もしかして……社さん。あなた六道魔入を知らないの?」

「はい。知りません」

「うそ!?」


 なんかショックを受けているみたいだけど、知らない人は知らないし……


 自分は有名人だから、他人は自分の名前を知っていて当然と思われても困るよなあ。


「六道さん。ショック受ける事ないわよ。優樹ってテレビ見ない子ちゃんだから」


 ちゃんを着けるな!


「え? そうなの?」

「樒。僕がテレビを見ていないって決めつけないでくれないかな。僕だってテレビぐらい見るよ。ニュースとか天気予報とかドキュメンタリーとか大河ドラマとか」


 一番多いのは深夜アニメだけど……


「スポーツとか興味ないからスポーツ番組は見ないし、バラエティなんて低俗番組は見ないから、そういう話題にはついていけないけど、僕だってテレビぐらい……うぐ!」


 突然、樒は僕の口を手でふさいで、耳元で囁いた。


「バカ! ここでバラエティを、低俗だなんて言うな! 出ている人に悪いでしょ」


 え? 出ている人?


「あ……あはは……」


 千尋さんが力なく笑っている……なんで?



「あはは……言われちゃった……『低俗』って、言われちゃった……そうか。私の番組って、低俗だったんだ……あはは……」


 

 あ! 非常にまずい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ