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霊能者のお仕事  作者: 津嶋朋靖
冥婚

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タンハー

 魔神タンハーと言われて、ハーちゃんはひどく慌てた。


「ぎょええ! 大女! なぜ、わらわの名を知っている!?」


 どうやら、魔神タンハーというのが本当の名前らしいな。


「さあ、なんで私があんたの名前を知っているのでしょうね? ついでに言うと、あんたの(たくら)みも分かったわよ」

「わらわは、何も企んでなどおらんぞ」

「とぼけたって無駄よ。あんたは最初から、荻原君を黄泉(よみ)に連れて行く気なんかなかった。ただ、露ちゃんに期待を持たせてから、非道(ひど)い失恋をさせようとしていたのよ」


 非道い失恋!?


 それで荻原君に、あのノートを読ませようとしていたのか。しかし、なんのためにそんな事を?


「タンハー。あんたの目的は、露ちゃんに失恋の苦痛を与えて悪霊化する事ね。そして悪霊化した露ちゃんを、生きている人々に取り()かせて、あんたの(かて)である執着心を増大させたかった。そうなのでしょう?」


 執着心が糧?


 まさか! タンハーって……


「おまえ、マーラの娘だったのか?」


 僕に言われて、タンハーは歯ぎしりする。


 やはりそうなのか? 


 かつて釈迦(しゃか)が悟りを開く禅定(ぜんじょう)に入った時に、マーラという魔神が瞑想を妨げるために現れたという。


 マーラは第六天 (他化自在天)に住まう煩悩(ぼんのう)の化身。


 だから、マーラにとっては、釈迦が悟りを開く事は自身の破滅につながる。そこで手始めに釈迦のもとに美しく技に長けた三人の娘達を送り込み、涅槃(ニルヴァーナ)を妨害しようとしたと言われている。


 その三人娘の名前がそれぞれラーガ (快楽)、アラティ (嫌悪)、そしてタンハー (執着)。


「ばれてしまっては仕方ないのう。有名神は、つらいぞよ」


 本物のようだな。しかし……


「有名なわりには、おまえ弱いな」

「有名だから強いというわけではないぞよ。というか、おまえの相棒が乱暴すぎるわ! 普通こんな可愛い幼女を、ポカポカ叩くか!」


 まあ、それはそれで問題だが……


「それにしても、大女よ。どうやってわらわの正体を見破った?」

「別に見破ったわけじゃないわ。教えてもらったのよ」

「教えてもらった? 誰に……? う! ひょっとして……」

「おうよ! ひょっとして俺様にさ」


 そう言って荻原家の玄関から出てきたのは、トゲトゲ頭に黒革ジャンバーをまとったパンクロッカー風の男。


 身長は、樒より頭一つ分高い。


 誰だろう?

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