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景色を
二週間前とはまた違う景色
コスモスが一面に咲く丘の麓に
密接するかのように咲いた彼岸花
夏が残った日差しを浴びながら見上げた
空には白い日傘が飛んでいくように見えた
いつか一緒に眺めたいとか
薄い雲の広がる空を仰いで思う
どこかで生きていることを願って
画角に収めた薄ピンクの花を切り取って
いつか一葉の写真になるのだと考えながら
丘を登って坂を下っていく
足を伸ばした緑地に佇む彼岸花
燃え尽きた線香花火のように見え
いつか終わる命にどこか哀しみを感じた
燃え尽きるのその日まで歩みを進めていく




