431/479
失ったぬくもり
その傷も痛みも抱えたままおやすみ、愛しい人よ
それらはいつか必ず救いに変わるだろう
ただ傷付けるだけの存在ではないはずだ
硝子のような優しさに触れながらゆっくりと眠り
やわらかい髪を撫でながら寝息を感じる
ただそばに居るだけの存在で居たかった
争いも知らないままいい夢を見ていてほしかった
響く声と声とを聞かずに生きてほしくて
隣にも居られなくなった僕を許してくれ
その傷も痛みも抱えたままおやすみ、愛しい人よ
無駄になることのないものであると願う
前を向けるようになったら見上げてみて




