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透明な花
あの星が背負っているものも抱えているものも
私にはなにもわからなければ知ることもない
少しは分けてほしい、と見上げながら思った
ひとりで背負い抱え込むにはあまりに重いから
一緒に居てくれた時間を今も鮮明に憶えている
少ない言葉と視線が交わってから流れる静寂
そんなどこか哀切さえ感じる時間を過ごして
紡いだ物語はまだ星の手元で続いているだろう
あの星の輝きが消えてしまう日が来ないことを
私が生きている間はずっとそこに居てほしい
優しい手のひらで包み込むように頬を撫でて
透明な花の咲く夜明けが来るまで一緒に居よう




