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葉を紡ぐ
言葉を残して死ぬ
そう決めたのはいつの日だっただろう
諦めることも、区切りをつけることもできなかった
だから生きている
君がいなかったら、いなくなったら
もう私は私として存在などできない
死んでしまう
名もなき山にでも紡いだ言葉が根付いてくれるなら
それは本望に近い
君がくれた思い出をつなぎ合わせた
葉っぱが土に還ってくれるのならば
言葉を残せるなら
無駄に生きてよかったと思えるだろうか
これまで選んで歩いてきた道を振り返ることもなく
先の見えない道に
君がいてくれることを信じていたの
また朝を迎えるために信じていたの




