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雨詩  作者: 雨宮雨霧


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なにか

「なにか」が、広い海の何処かに残ればいい

君の知らない場所で、私も知らない場所で

海に還るにはいい重さを抱えたまま沈んで

その中で腐敗していく過程で全部を溶かす


日が落ちるのも随分と早くなったもので

それをうれしいと言うのか寂しいと言うか

海の底と水面のような狭間で生きてきた

そんな人生を一枚の葉で表せられるのか


波にさらわれる想い出の欠片を見ながら

「なにか」が何処かに光ってくれればいい

そう思いながら砂浜に足跡を残しながら

帰る道はやけに寂しく、どこか冷たかった

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