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霧の漂う夜中
霧の漂う夜中
雨は静かに降り続く
街灯に飛び交う虫を見て
晴れなければいいと思った
曇りのち晴れ
暗闇に灯る天気予報
気温はこれから上がると
見ればため息落胆している
たすけてって
言っても居ないから
結局口だけ上辺だけだと
思えば深くため息落胆しては
ああしぬには
いい天気だと思った
誰も知らないところなら
消えても誰も気付きやしない
人生は窮屈だ
知らない底に沈んで
疲れた身体を癒やすんだ
誰にも邪魔はされないでしょ
瞼を閉じても
聞こえてくる遠い声
記憶の何処かで木霊する
もう戻れない場所まで沈んだ




