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雨詩  作者: 雨宮雨霧


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散り果て

桜は散り果て

初々しい葉も色深くなり

雨の降る日が続いていく


ふと開けた窓

辺りを照らす上弦の月は

暗い部屋さえ明るくする


この世界から

去って行ってどれだけの

時間は過ぎ去っただろう


振り返らずに

遠い星へと導かれていく

手は届かず下ろしたまま


人の心を失い

何者かに変われるならば

しあわせになれるのかと


空谷に吼えた

一度でも振り返ってくれ

そんな願いが届くことは


桜は散り果て

深くなった緑も散り果て

病床に伏している間さえ

時は止まってはくれない

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