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凍えた指先は
凍えた指先は君に届かず
踏切の音と汽笛の音だけが響き渡り
膝から崩れ落ちても涙は落ちなくて
君は二度と戻ってくることはなくて
あれが溶けるような夏で
蝉が鳴きしきるような日だったなら
君に指先が届いたのかもしれないと
想いが届いたのかもしれないと思う
君との記憶が嫌なくらい
毎日思い出して毎日悔やんでいるよ
君との思い出はこれからも続いてる
はずだったのに君はもう居ないんだ
凍えた指先が届いたなら
君の腕を引っ張って止められたなら
お互いの人生が狂うことはなかった
お互いの人生は終わらなかったのに




