表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やたらとペットの犬(※ コーギー)に張り合ってデレてくる幼馴染の紗雪さん  作者: 時雨オオカミ
『彼女な幼馴染がペットの犬に張り合ってくるんですけど!』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/52

夏休み前に髪染めの相談と、ひまわりのような笑顔

 幼馴染の譲羽(ゆずりは)紗雪(さゆき)は、なぜか俺の飼い犬に張り合おうとしてくる。


 それはもはや日常の一コマだ。


「犬飼君、犬飼君」

「なんだ?」


 今日も黒髪ショートの幼馴染がこちらにやってくる。

 俺を見かけるとすぐに嬉しそうにして駆け寄ってくる辺り、とても犬っぽい。なんというか、わんこ属性? 本人には絶対に言わないけれど、なんだか微笑ましいので好きだ。


 今日もいつも通り、なにかくるみと張り合おうというのだろう。

 今度はなんだ? 毎度のことなので楽しみになってから俺がいるのだ。どれだけバリエーション豊かに、犬に対して張り合ってくるかっていうのが……。


 そうして彼女の言葉を待っていると。


「私、髪染めようと思います」

「ぅえっ!?」


 驚きすぎて変な声が出た。


「イインチョの紗雪が!?」

「言っておきますけど、私委員会には属してますが別に委員長ではありませんからね?」

「いや、イインチョ呼びはイメージ……じゃなくって、え、本気で言ってる?」

「私は本気ですよ! 長期休みになりますからね、ちょうどいい機会にやってみようかと!」

「へ、へえ……」


 確かにそろそろ夏休みになる。

 しかし……意外だ。なんだかんだ真面目だから、そういうのは絶対にやらないタイプだと思っていた。


「私だって多少はイメチェンしてみようと思ったりもします。それに」

「それに?」

「くるみちゃんの、ふわふわの茶色い毛並み……可愛くていいじゃないですか……あんな風にくりくりのふわふわな髪にしてみたいなって……」

「そうか」

「そうしたら! 犬飼君にも、もっと撫でてもらえると思いまして! くるみちゃんみたいに!!」


 って、結局張り合ってるだけかい!! 


「あー、そんじゃ、こうしよう。イメチェンしたら、真っ先に俺に見せること。一番は俺で。いいかな?」

「そ、それは……美容院で髪を染めてもらうとき、美容師さんは女性を指定しないといけないやつですか……? 私、予約の電話口で細かい注文する勇気が……!」


 細か! そこまではちょっと考えてなかったな。

 紗雪はぐるぐると手を回しながら「どうしよう」と呟いている。いや、無理するなよ? 


 意外と人見知りするやつだし、無駄に緊張してしまうよりは安心させてやったほうがいいだろう。別に美容師の性別は気にしてないし……そこまで嫉妬深くないよ。


「あー、そこは別にいいや」

「へ?」

「要するに、髪を染めたあとは一緒にご飯でも食べようってことだよ。言わせんな恥ずかしい」


 本当は、髪を染めたあと家に来て欲しいって意味だったが、こいつのことだから「お家に行くまでパーカーかなにかで隠さないといけませんか!?」みたいなことを言ってきそうだ。先回りをして変なことを言わないよう封じておく。


「髪、染めてもいいんですか……?」

「ん、夏休みの間だけだろ?」

「は、はい」


 しゅんとした表情で紗雪がこちらをうかがう。

 もしかして嫌われるとか、真面目なやつなのに染めるなんて変だとか、そんなことを言われるとでも思っていたのだろうか。


 そんなこと、あるはずないのに。


「なら問題ないだろ。オシャレだよオシャレ。休みの間くらいパーッと楽しんだっていいだろ。学校の先生は見てないんだし」


 俺が言えば、紗雪はみるみるうちに花が咲いたように笑顔になり「はい!」と元気よく返事をした。


 ……夏休みか。どこか、デートにでも誘おうか。

 ひまわり畑とかどうだろう。彼女の笑顔を見たら、そう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ