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やたらとペットの犬(※ コーギー)に張り合ってデレてくる幼馴染の紗雪さん  作者: 時雨オオカミ
『彼女な幼馴染がペットの犬に張り合ってくるんですけど!』

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28/52

挨拶と、お泊まりと……

 幼馴染の譲羽(ゆずりは)紗雪(さゆき)は、なぜか俺の飼い犬に張り合おうとしてくる。でも、最近はくるみのこともすごく大切に思ってくれているようで……。


「お邪魔しまーす、くるみちゃんこんにちは〜!」

「いらっしゃい、ちゃんと荷物持ってきたか?」

「あ、犬飼君! お邪魔します!」


 玄関口で、大きなバッグを持った紗雪が笑う。

 客人が来たので、飼い犬であるくるみも『お出迎え』しにきていた。だからくるみに挨拶するのはまだ分かるが……一緒に来たはずの俺のことは、こっちが挨拶してから今気づいたと言わんばかりに挨拶してきた。


 そんなことされるとちょっと妬けるぞ。俺、一応彼氏なのに。


 くるみのことを大切に思ってくれているのはよく伝わってくるのだが、それはそれとしてちょっと寂しくなる複雑な彼氏心である。自分で言っててちょっときもいな。


「俺はくるみのおまけか?」

「ち、ちが! そんなわけないじゃないですか! 玄関までぽてぽて駆け足で迎えに来てくれたのが可愛かっただけですー!」

「いやぁ、すっかりうちのくるみにメロメロだな」

「可愛いですもん」


 まあ確かに? 短い手足でぽてぽて歩く姿は可愛いし、喜びを全身で表して迎えに来るところとか天使かな? ってくらいだけども。


「じゃ、えーと、今日はいつもの俺の部屋じゃなくて隣の部屋のほうね」

「はい! 荷物をそちらに?」

「そう、物置化してたんどけど、最近コツコツ掃除してちゃんと客室として使えるようにしてるから」

「隣の部屋……えへへ」


 おや、妄想の世界にトリップしているみたいだ。帰ってこーい。

 ……そう、今日から二日間、幼馴染の紗雪は家に泊まるのである。ご両親がどうしても家を空けないといけないとかで、紗雪自身が泊まりたい! と言い出したわけだ。そのかわりに俺は紗雪のお父さんから『絶対に手を出さない』という約束事をさせられたわけだが。


「念願のお泊まり! 楽しみですね!」

「そうだな」


 うん、念願だね。俺もそうだよ。

 だがしかし! 同時に俺にとって、理性との戦いの幕開けでもあったのだった。

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