部屋と、匂いと、吸引再び
幼馴染の譲羽紗雪は、なぜか俺の飼い犬に張り合おうとしてくる。
「犬飼君、犬は吸うものなんですよね」
「猫もそうだけど、うん、まあそうだね」
ジトッとした目で紗雪が近づいてくる。
今日も俺の家に押しかけてきた彼女はだらだらとしながら、唐突に変な行動を取り始めた。
「ん」
「うん?」
「ん」
近づいてきた彼女が俺の目の前に座り込み、背筋をぐいっと伸ばして寄りかかってくる。彼女のふわふわの髪が、俺のあごの下をくすぐった。
「またですか紗雪さん」
「くるみちゃんを吸うのは何度でもするでしょう、犬飼君」
「そうだね」
妙な納得をしてしまったので、紗雪の頭にあごを乗せる。
軽く鼻を埋めて吸ってみると、甘いシャンプーの匂いがした。
なんか……なんかいけないことをしている気分になるから、あんまりこれをやりすぎるのはよくないな。
「えへへ」
だが、まだまだ彼女は押し付けてくる。
もっと吸えと???
「くるみちゃーん」
「くうん?」
紗雪はさらにくるみもだっこして、自分も匂いを吸い始めた。
俺が紗雪の匂いを吸って、紗雪がくるみの匂いを吸っているシュールな光景だ。なんだこれ。
「んふふ〜」
ま、こいつが楽しそうならいっか。
相変わらず、無防備すぎて心配になる幼馴染なのであった。




