散歩と、紗雪と、チョーカー
幼馴染の譲羽紗雪は、なぜか俺の飼い犬に張り合おうとしてくる。
本日は紗雪とのお散歩デートである。くるみとのお散歩に彼女も行くというので、いつもより遠出をしてみようと思う。デートといっても犬と一緒なので、ただただ本当に散歩するだけだけど。
少しだけ服装に気を遣って、何度も親にチェックをしてもらいながら変でない程度のラフな格好で外に出る。
くるみも赤いハーネスに赤いリードをつけて、ついでに首輪にリボンを結んでお洒落さんになってもらう。
「お、お待たせしました!」
「いいよ、俺も今来たところ」
なんて、定番の会話なんかもしてからゆっくり歩き出す。
くるみのお散歩グッズも持っており、行くとしたら公園くらいしかないが、デートできるというだけで嬉しい。彼女がくるみのことも気に入ってくれているのでなおのことだ。
毎回くるみに張り合ってくるため、少しだけ今日はどんな張り合いかたをしてくるんだろう? と楽しみだったりする。さて、今日は……。
「チョーカーしてるんだ」
「え、えへへ、可愛いですか?」
「うん、可愛いし、似合うよ」
「そうですか」
なんと今日は首にチョーカーをつけている。
肩をくすぐる黒髪が隠しているが、ときおりチラッと覗くチョーカーは存在感があり、俺の心をくすぐってくる可愛らしさだ。こっちの好みをよくわかっていらっしまることで。
「公園でアイスでも食べようか」
「いいですね!」
足元を歩くくるみが俺達を見上げる。
「くるみちゃん、今日はよろしくね〜」
「だってさ、くるみ」
「わふん!」
俺のことを好きでいてくれる一人と一匹が、揃って見つめてくる。
ああなんて贅沢なんだ、なんて。思わずだらしない顔になってしまい、顔を逸らす。
今日も俺の幼馴染と、くるみが可愛い。




