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【書籍化】Fランク冒険者の成り上がり、俺だけができる『ステータス操作』で最強へと至る【コミカライズ】  作者: まるせい


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信頼関係

「つまり、ティム先輩だけが見える『ステータス画面』とやらがあって、そこでは自由にスキルを取得したり、各能力を上昇させることができるから、私のステータスを弄らせてくれと……。そう言いたかったんですね?」


「ああ、その通りだ」


 あれから、妙な誤解をしていたガーネットに対し、俺は自分の能力について説明を行なった。


 最初は混乱していた彼女だったが、一通り俺の説明を聞くと理解してくれた。


「はぁ……そういう意味ですか。私はてっきり……」


「何だと思ったんだ?」


 疲れた様子を見せるガーネットに俺は確認する。


「……いえ、気にしないでください。それより、そんな凄い秘密を私に教えて良かったのでしょうか? サロメさんも知らなそうでしたし、今まで誰にも打ち明けたことがないのではありませんか?」


「ああ、ここまで話したのはガーネットが初めてになる」


「私が……初めて」


 小さく口を動かすと、彼女は嬉しそうな顔をした。


「どうして教えたのかと言うと、ガーネットなら俺の秘密を黙っていてくれると信用したからだ」


「光栄ですが、私はティム先輩の足を引っ張るだけで何もしていません。いまだに簡単な依頼しか受けることもできませんし……」


 そう言うと彼女は俯いてみせる。


「簡単な依頼しか受けられないのはステータスが低いからだ。俺もスキルが発現するまではゴブリン一匹相手にするのもやっとだった」


「今のティム先輩からはまったく想像ができませんね」


 ガーネットは口元に手を当てると首を傾げ俺をじっと見た。


「それでどうする? さっきも説明したが、俺のユニークスキル『ステータス操作』ならガーネットの『魔力』や『精神力』を弄って魔法を何発でも撃てるようにできるし、新たなスキルを取得させてやることも可能だ」


 そうすれば彼女は半人前から脱出することができ、きちんとした実績を盾に婚姻の拒絶をすることができる。


「正直『ステータス』とか『スキルを取得』と言われてもピンとこないです」


 俺も自分のステータスを画面で見るまではそのようなものについて考えたことすらなかった。ましてやガーネットには『ステータス画面』が見えていない。これ以上の説明は不可能だった。


 本人が納得してくれなければ俺の提案は成立しない。どうしようか考えていると……。


「でも、ティム先輩のことは信用……いえ、信頼しています。これまで私のわがままに付き合っていただき、今回も実家までついてきてくれるとおっしゃいました。なので、お願いします。その『ステータス操作』を私に掛けてもらえないでしょうか?」


 彼女は丁寧な御辞儀をすると頭を下げた。


「ああ、任せておいてくれ」


 俺のことを『信頼』してくれたガーネットの肩に手を乗せると、はっきり返事をした。



「それで、どうすれば良いでしょうか?」


 俺の提案を受け入れたガーネットは自分が何をすれば良いか質問をしてくる。


「それじゃあ、パーティーを組む必要があるから冒険者カードを出してもらえるか?」


「わかりました、少々お待ちください」


 彼女はそう言うと後ろを向き、ローブに手を入れるとゴソゴソと音を立てる。


「はい、こちらです」


 取り出した冒険者カードを差し出してきた。


 俺は自分の冒険者カードを重ねると、


「えっと……申請ってどうやるんだっけ?」


「わ、私に言われてもわからないですよ……」


 万年ソロ冒険者と、最近追放されたガーネットではその手の情報を持っていない。


「確か、以前に臨時パーティーを組んだ時はこの辺に触っていたような……」


「えっ? ティム先輩、臨時パーティー組んだことあるのですか?」


 ガーネットが驚いてみせる。ユーゴさんたちと一度組んだことがあるだけなんだが……。


「あ、なんか文字が変化しました。この『申請』を受ければ良いのですよね?」


「ああ、それで間違いないはずだ」


 冒険者カードを弄っていてどうにか申請を出すことに成功した。あとは彼女が承認するだけだ。


「では、これでどうですか?」


「うん、オーケーだ。これで準備は調ったな」


 承認を押すと同時にパーティーが成立した。


「それで、上げるのは魔法の威力を向上させる『魔力』と『精神力』、スキルもアロー系とヒーリングの強化で良いんだよな?」


「それでお願いします」


 ステータスポイントもスキルポイントも限りがあるので事前に何を上げるか話してある。


 俺は『ステータス画面』を開き、ガーネットのステータスを覗くと……。


「ガーネット」


「はい?」


「魔法を使うの諦めないか?」


「それは……、ティム先輩のスキルをもってしても私を強くすることはできないということでしょうか?」


 早とちりした彼女は沈んだ表情を見せる。


 俺の背中を冷や汗が伝う。このような事態を想定していなかったからだ。


「いや、そう言うわけじゃない。ただ……」


 名 前:ガーネット

 年 齢:15

 職 業:剣聖レベル2

 筋 力:95+10

 敏捷度:95+10

 体 力:95+10

 魔 力:3

 精神力:5

 器用さ:70+6

 運  :50+4

 ステータスポイント:20

 スキルポイント:10

 取得ユニークスキル:無し

 取得スキル:『アイスアローレベル1』『ヒーリングレベル1』


 初めて見る職業と初期ステータスの高さに、考えていた育成計画を白紙にしなければならなかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 思えば力持ちだったから何かあるなと思っていたけどw
[一言] 職 業が剣聖だよと教えてあげて、将来の方針を問うたら良いですね。
[一言] この感じだとオリーブはパーティには入らなさそうだしガーネットが正ヒロインだと思うけど幼馴染ヒロイン好きの自分的には昔から主人公のことが好きだったって言うグロリアが何気に好きなんだよなぁ グロ…
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