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【書籍化】Fランク冒険者の成り上がり、俺だけができる『ステータス操作』で最強へと至る【コミカライズ】  作者: まるせい


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パーティー対策

「思っているより厄介そうだった……」


 あれから撤退した俺は、モンスターが現れない休憩場所で腰を降ろし態勢を整え直していた。


 ダンジョン内にはこういった安全地帯が点在していて、食事を摂ったり休んだりすることができるのだ。


 俺が訪れた時、この場所には既に二組のパーティーがいた。


 どちらも戦士と斥候、僧侶に魔道士とセオリー通りの編成をしている。


 さきほどのモンスターもパーティーを組んでお互いの弱点を補ってきた。

 彼らも連携を取ることで自分たちの力を何倍にも生かしてこの四層で狩りをしているのだろう。


 俺は彼らから視線を外して考え込む。

 今何とかしないといけないのはあの編成の打ち破り方だ。


 せっかく冒険者ギルドの支援を受けられてサロメさんから色々とサポートをしてもらっているのだ。

 これで手ぶらで帰ったら見込みなしと判断されてサポートを打ち切られてしまうかもしれない。

 そんな悪い予感が頭をよぎった。


 方法は三つ……いや、二つある。


 一つ目は一度三層へと引き返してレベルを上げ直すこと。

 さらに魔力を上げることで、戦士コボルトと戦士ゴブリンを確殺できる魔法を身に着けてから四層へと降りる。


 だが、これにはどれだけ時間がかかるかわからない。

 魔法スキルレベルは現在6なので同時に6本まで魔法の矢を出せる。

 魔力に振ることで威力が上がることは先日の三層での狩りで確認できているのでよいのだが、どれだけ振れば確殺できるかはわからない。


 それというのも同じ種類のモンスターでも下に進むと強くなっているからだ。現段階で俺は四層の戦士コボルトと戦士ゴブリンの強さの底を見極めることができていない。

 すでに魔道士のレベルが15まで上がっているのでこの先のレベルアップとステータスポイントを魔力に振ったとして、確殺までどれだけポイントが必要になるかわからないのだ。


 二つ目は、何とかして後方の敵を先に倒すこと。

 見たところ、コボルトアーチャーもゴブリンメイジもそれほど強力な防具を身に着けてはいない。


 職業を戦士に戻して筋力を上げてやれば少ない手数で倒すことができそうだ。

 問題はどうやって接近するかについてだが、考えが纏まらない。


 俺はサロメさんが用意した対策を読み直すことにした。


『四層に湧くモンスターは基本的に戦士コボルト・戦士ゴブリン・コボルトアーチャー・ゴブリンメイジです。戦士コボルトは遠距離から魔法で攻撃して、戦士ゴブリンは弓の【連続打ち】で牽制する。相手からの弓による攻撃は【セイフティーウォール】のスキルで防いで回復役のゴブリンメイジは接近して倒しましょう』


「なるほど……」


 それができれば苦労しないというやつである。


 やはり下層に潜るにつれモンスターが強くなるらしく、ソロでの戦闘は厳しいらしい。


 説明に書かれているスキル名だが、使えるのが当然のように書かれていることからこの層にくるまでに自然に覚えるスキルなのだろ。


 俺の取得可能スキル一覧には乗っていないようだが、普通の人間は冒険を続けていく中で自然にスキルを覚えるらしいので条件さえ満たせばそのうち俺も使えるようになるのかもしれない。


 ふと顔を上げると一組の冒険者と目があった。

 どうやら彼らはさきほどから俺のことを見ていたらしい。


「何か?」


「いや、この層に一人でいるのが珍しくて。もしかして仲間とはぐれた?」


「いや、元々一人なもので……」


 どうやら心配してくれていたらしい。

 せっかく話し掛けられたのだ、せっかくだから質問させてもらおう。


「すみません、【連続打ち】【セイフティウォール】ってどんなスキルかわかりますか?」


「【連続打ち】は弓を扱っていると覚えるスキルだね。手に二本の矢を持ってそれを連続で打って敵に当てる。威力は落ちるけど、当てると一時的に動きを止めることができるから連携を崩すのに便利なスキルだよ」


「なるほど……」


 俺が頷いていると、僧侶と思われる格好をした女性が話し掛けてきた。


「【セイフティーウォール】はヒーリングや祝福などの魔法スキルを使っているうちに覚えられるスキルです。魔力で作られた壁が矢の攻撃をはじいてくれるんですよ」


「それ、凄くいいですね……」


 それがあれば俺の悩みの半分は解決できそうだ。


「皆さんはこれから狩りに戻るんですか?」


「そうだけど?」


「それ、もし良かったら見学させてもらえないでしょうか?」


 この層での戦い方を見せてもらい参考にしたい。俺はそう考えると彼らに頼み込むのだった。

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[一言] 親切な冒険者だな
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