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  作者: 鵜狩三善


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送り出す

 帰宅すると玄関に靴がある。わたしの靴ではない。男ものの革靴だ。

 無論知人友人、恋人や家族のものでもない。合鍵など誰にも渡していないのだから、正当な手段でここへ入る者は、わたし以外にないはずなのだ。

 初めて靴が現れた時は、空き巣かと怯えて通報をした。しかし結果は、何の変哲もない革靴を警察が回収するだけに終わった。

 以後も数度110番したけれど、いずれも不首尾に終わった。

 いつまでも騒ぎ立て続けられないし、警察官にもわたしの悪戯を疑う目を向けられたので、以後官憲を頼るのは諦めた。


 ゴミの日はゴミに出したり、電車を乗り継いで見知らぬ街に置き去りにしてきたりもしたのだが、靴は必ずうちの玄関へ戻ってくる。

 ぴかぴかの磨き立てで、きちんと揃って、わたしの帰宅を待っている。


 根負けしそうになったある時、ふと閃いた。

 その日も現れた靴を外に出した。踵はこちら、つま先は戸外を向く格好でである。そうして、「いってらっしゃい」と声をかけてドアを閉めた。

 どうしてそんなことが効果があると思えたのかはわからない。

 けれど不思議にもその日以来、靴が現れることはなくなった。 

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