表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 鵜狩三善


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

946/1000

口を封じる

 友人が、奇妙な本を見つけた。

 油紙で包まれたそれは、実家の蔵の奥に巧妙に隠されていた古文書であった。

 古い筆文字は彼には読めなかったが、それでもこの秘匿具合である。さぞ価値があるものに違いないと、友人は学者に解読を依頼した。

 けれど数日後、その学者の訃報が届いた。驚くべきか、飼い猫に喉を噛み破られたのだという。

 

 本は友人の手に戻ったが、以来、奇妙が起き始めた。

 周囲に、常に猫がいるのだ。

 同じ猫ではない。だが見渡せば必ず、視界の隅に猫がいる。

 まるで一挙手一投足を監視するかのようだった。

 猫どもは常に炯々と目を光らせ、全身の毛を逆立てて、怨敵へ浴びせる視線で男を見ている。睨んでいる。

 学者の死因を思い出し、肌に粟を生じた友人は、大急ぎで本を焼いた。

 何を焼いているか、猫たちにもはっきりとわかるように、伝わるようにしながらである。

 その直後から、猫の囲みはなくなった。


 だが今でも月に一度以上、彼は自分を睨む猫と目が合うという。

 気のせいでない証拠に猫どもは、必ずにたりと笑ってから去っていくそうである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[良い点] 猫にとってどんな不都合なことの書いてある本だったのか…… いっぱい猫に会えるならちょっと読んでみたいなー、とか思いつつ、でも未来永劫恨まれるのは嫌……(殺されるかもしれないことはこの際無評…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ