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  作者: 鵜狩三善


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足元不注意

 道路を通したいので持ち山を売ってくれという話が来た。

 いやあそこは到底売れないと断ったのだが、新しい市議だが県議だかが熱心らしく、諦めずにしつこい。

 いい加減面倒になって、カレンダーで移動日を確かめた。

 実際を見れば、道路なぞ作っても踏み壊されるばかりだと理解できるだろう。

 日時を告げ、「この日この時刻にご本人が山に入って、まだいけると思うなら商談に応じる」と伝えて、当日の立ち入り許可を出した。


 指定日の午後になって、警察がうちへやって来た。

 (くだん)の政治家だか政治屋だかが、山でぺしゃんこになったという。車ごと1cmほどの厚みにまでプレスされて、遺体は回収できなかったそうだ。

 脅かすだけのつもりだったのに、可哀想なことをした。


「運が悪かったですね。あれは、足元を見ずに歩くから」


 見ないというより、気づかないの方が正しいか。

 人が虫を踏むようなものだ。車を踏みつけたその感触すら、あれは感知していまい。


「ですなあ」


 担当の警官も地元の生まれだから、呟きに心得顔で頷いた。

 一応、前方不注意による事故として片付けるそうである。

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― 新着の感想 ―
[一言] 車をぺしゃんこにした何かには脅威に思っても怖さはあまり感じない。それよりも慣れきって、人の死を適当に処理しようとする人間の方に恐怖を感じるお話でした。
[一言] 人間様は忘れがちだけど、此の世には、人間ではどうにもならない相手がいるのよね。深海とか宇宙とか自然現象とかね。妖怪話や怪談の類いは、そのメタファだと思ってるよ。運良く生かされとるんやで、って…
[一言] 地元サイコーですねw 怖い話はネイティブほど熟知していますから。
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