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  作者: 鵜狩三善


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902/1000

嘴病

 房州の某という家の血筋は、揃って大きく鋭い猛禽の(くちばし)を持つ。

 生まれた頃は尋常の口であるのだが、十を数える時分から唇が腫れ、やがて硬質化して嘴になるのだという。

 これは昔日、かの家が鳥の(つがい)を打ち殺した障りなのだ古老は語る。


 鳥は、青と緑に光る羽を持つ、誰も知らない種類のものだったそうである。

 体躯は大人が両腕を広げたほどもあり、山中に(むつ)むこの夫婦(めおと)鳥を見た者は皆、山神がその使いであろうと信じて疑わなかった。

 が、某は異なった。

 猟で口を糊するこの家の者にとって、美麗なる鳥は財貨としてしか映らなかった。

 故にある夜、忍び寄ってひと撃ちした。

 弾は確かに鳥を貫いた。が、後には屍どころか羽の一枚とて見当たらず、得たものは斯様な祟りのみだったのだという。 


 鳥の力の衰えか、はたまた寛恕(かんじょ)か、嘴は年々縮み、唇に戻りつつあるとも伝え聞く。

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― 新着の感想 ―
[良い点] リップクリームいらなそうで……ちょっと便利かもって思っちゃう。 でもね、唇ないとあれとかこれとかできないことも多いですからね。祟りがとけるにこしたことなし。 かつて撃たれた鳥は、つがい両方…
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