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喪服
喪服が連れ立って歩いているのを見た。
黒のスーツとブラックフォーマル。
それはあくまで喪服であって、喪服の男でも、喪服の女でもなかった。
まるで中身があるかのように、服は人の形に膨らんでいる。けれど着る者はなく、ただ喪服だけが歩いているのだった。
靴音も聞こえた。当然だ。靴は履いているのだから。
だが足音とは呼べない。これも当然だ。だって足がないのだから。
喪服たちは連れ立って角を曲がって見えなくなった。
その後、町内での不幸があったとも聞こえてこない。
別段、悪いものではなかったのだろう。




