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知っている
ぱたり、ぱたり。
布団の足の方で、床を撫でる音が聞こえる。
でも大丈夫。
僕は大丈夫。
ちゃんとつま先までをかけ布団にしまっておけば、あの手に捕まる事はない。
気をつけてねと注意しておいたのに、ダイちゃんは足を出したまま眠ってしまった。
僕の言う事を信じなかったのかもしれない。遊び疲れてうっかり忘れてしまったのかもしれない。
だけどどんな理由にしろ足を出してしまっていたら、あの手は見逃してなんてくれない。
それでダイちゃんは、あんな事になってしまった。
ぱたり、ぱたり。
手は、まだ足を捜して床を撫でている。
だけど大丈夫。
僕は大丈夫。
きちんと布団に包まっていれば問題ない。あの手に捕まる事はない。
僕は知っている。
ちゃんと、知っているのだ。




