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夜道を歩いていると、どこからかごとごとと物音がする。
周囲を見回すと、路傍の地蔵が身じろぎを繰り返していた。
驚きに身を竦めたが、しかし地蔵に震える以上のアクションはない。触らぬ神になんとやら、だ。そこから先は見届けずに、その場を退散した。
ひょっとしたら天変地異の前触れかもしれないと、家に帰ってから防災用品のチェックなどもしたのだが、それから数日が過ぎても何ひとつ起こらなかった。
その後一度、地蔵の様子を覗き行った。
するとその前にはうず高く、お供え物が積み上げられていた。地蔵の顔は、実に満ち足りているように見えた。




