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  作者: 鵜狩三善


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音漏れ

 昔から雑音があると眠れない。

 なので深夜バスを利用する時は耳栓を常備している。

 しかしながら今夜はそれも役に立たなかった。

 乗り合わせた客の中に、随分と神経の太い者がいるらしい。耳栓を通り抜ける大きな声で、女性ふたりが延々と喋っている。

 何の話かまでは知れないが、それは静まる事無くいつまでも続いた。


 なんて迷惑な。

 他の客をなんとも思わないのだろうか。

 他の客はなんとも思わないのだろうか。


 とうとう我慢ならなくなって、私は耳栓を外した声の方を向く。

 だが途端、車中は静かになった。皆眠っているようで、耳に響くのはバスの走行音ばかりだ。

 (いぶか)しみつつも、それならばと耳栓をし直す。

 するとまたお喋りが始まった。


 そこでようやく気づいた。

 声は、私の耳栓から漏れてくるのだった。

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