#150 夢は終わらない
タスキリレーを待つ第5中継所では、怜名がモニターと携帯電話をせわしなく交互に見つめながらため息をついていた。
『さぁ、最長の5区を迎える第4中継所に最初に飛び込んでくるのは初優勝を狙う同洋大学です! 4区の佐藤愛花から、5区2年生の井田天へ今タスキリレー! 濃紺のタスキが、都の杜で初の栄冠に輝くか? その後ろからは女王・名東、4区荒畑沙佳から5区川井田莉奈へ今タスキを繋ぎます! さらに続くのは鹿鳴館! 4区三本木から、5区は3年生河野萌絵へのリレーです! 初優勝を狙う同洋か、もしくは……』
ふと顔を上げると、涼子の後ろから水色のユニフォームが迫ってくるのがわかり、怜名はパッと表情を明るくして叫んだ。
「ナイスです! 佳穂理先輩! ファイト!」
怜名の叫びとシンクロするように、実況が叫ぶ。
『すぐその後ろからは望海大学の村井佳穂理がやってきます! 5区を走るのは学生屈指の実力を誇るエースの首藤志津香、そしてアンカーには3,000メートル障害女王の2年生・牧野怜名が待ち受けています! 今、望海大学が4位でタスキリレー、この後の5区6区で一気呵成に逆転優勝を狙います!』
不意に名前を呼ばれた怜名は顔を赤くしたが、”逆転優勝”のひとことが聞こえると、肩の下まで伸びた髪を結び直して二度頬を叩いた。
(志津香先輩、待ってますね……っていうか、春奈、秋穂! どこにいるの!? 怜名ちゃんの走り、見逃さないでよねって言ったでしょ!?)
春奈とタクシーに乗り込んだ秋穂は、景色を見つめながら険しい表情でつぶやいた。
「オリンピックに出たじゃろ……みゆきさんと、史織さん。あれ見てたらウチも、マラソンで一番てっぺんに登ってみたくなって。けんど、みんなが駅伝に集中しとる中、ウチだけマラソンに専念してしまったら、チームに迷惑がかかる……だから」
春奈は、無言で秋穂を見つめている。昨年行われたオリンピックにマラソン代表として出場した日本のエース・大清水みゆきと、史織が大歓声を受けて走る姿に、秋穂はランナーとしての使命を刺激されたのだという。
「今は遠いかもしれんけど、いつかあの距離を走りきることができたら、誰かを勇気づけることもできるかもしれない……春奈」
不意に呼ばれた春奈が、驚いたように目を見開く。秋穂は横目で春奈の顔を見ると、少しだけ微笑んだ。
「……もし春奈があの時のまま走ってたら、今頃オリンピックには春奈が出とったかもしれん。勝手に使命感抱いてしまって迷惑かもしれんけど……春奈の代わりに、オリンピックを目指してみようと思うたんじゃ」
「秋穂ちゃん……」
春奈は、秋穂から受け取った名刺をまじまじと見つめた。春奈が疑問を口にする前に、亜秋穂が肩書を指差した。
「よくCMやっとるじゃろ、みんなの住まい、ロイヤルホーム♪……って。あれ、本社が松山にあって、陸上部を持っとるんよ。ほいで、中学の時の先生がロイヤルの監督さんと知り合いで、紹介してくれたんよ」
そう言うと、秋穂はさらにバッグからロイヤルホームの封筒に入った書類を取り出す。
「あっ!」
最後の第5中継所が、慌ただしくなる。5区も残り500メートルを切り、上位校のアンカーたちはガウンを脱いでリレーゾーンへと向かう。5区の志津香がやって来る方向を怜名が見つめていると、後ろからポン、と背中を叩かれた。
「真理……」
濃紺のユニフォームに身を包んだ真理は、照れくさそうにはにかんだ。
「秋田にいる時は、駅伝で走れるなんて思いもしなかったけど……みんなのおかげで、頑張ることを知れたっていうか。なんか、夢みたいだよ……怜名っち。先に行くけど、いい勝負しようね」
真理は、練習生の立場からタイムを縮め、この全日本大学駅伝のアンカーを任せられるまでに成長していた。怜名は真理とハイタッチを交わすと、いつものように満面の笑みで真理を見上げた。少しだけ2年前と比べて、真理の顔が近くなったように怜名は感じた。
「そうだね。……真理、絶対追いつくから覚悟しててね」
怜名がいたずらっぽく言うと、真理は一瞬驚いたようだったが、頷くと微笑んだ。
「了解!」
そう真理が言った次の瞬間から、沿道の声援が徐々に大きくなる。最終区に差し掛かろうという場面で、上位3校は団子状態ともいえる距離でやってくる。怜名の目には、その後ろから迫る水色のユニフォーム――志津香の姿もはっきりと見えていた。傍らの真理が、大きく手を振る。天がタスキを手に取ると、真理に応えるように手を振る。
『さあ、最後の第5中継所もトップでやってくるのはこの3校です。同洋、名東、鹿鳴館が続けざまにタスキリレーを行っていきますが……望海大学です! 望海大学がやって来ます! 望海大学の首藤志津香、今アンカーの牧野怜名にタスキを渡します!』
「志津香先輩!」
怜名はその場で大きく飛び跳ねると、笑顔で志津香からタスキを受け取って走り出した。
『望海大学は2年生・牧野怜名がこの6区に走り出して行きました! 全国女子高校駅伝で3連覇中の学大秋田――かつての秋田学院初優勝メンバーの牧野です! 先をゆく同洋、名東、鹿鳴館を追うように、一気に差を詰めにいこうという牧野、かなりのペースで飛び出していきます!』
(春奈……秋穂……絶対に見ててね!)
春奈が見つめる書類――ロイヤルホームの社内報には、スーツ姿の顔写真の横に、オレンジ色のユニフォームに身を包んだ秋穂の姿が写っている。秋穂は、少し伸びて明るくなった髪を掻き上げながら、照れくさそうに笑った。
「まだ人が少ないチームだけん、プリンセス駅伝にはよう出れんけど。マラソン走っとる先輩もおるし、次のオリンピックに出れるように頑張って走るだけじゃ……ひかるさんが古瀬先生を紹介してくれるって言うたけど……ウチは、自分のチカラで古瀬先生のお眼鏡にかなってみせる」
春奈は、笑顔で頷いた。秋穂は運転手にタクシーを止めるように指示すると、財布を取り出して春奈を見た。
「この辺でええじゃろ。怜名たちが頑張っとる……急ごう」
「うん!」
1区、2区など前半区間を走り終えたメンバーたちは、ゴール地点の仙台市役所のすぐ近くへと集まっていた。中継の様子を見守る凜花に、さくらが声をかける。凜花は、さくらと同じ日東大学へ進学し、この日はさくらに続く2区を走っていた。
「凜花、春奈から連絡はあったと?」
凜花は首を振った。
「途中の区間で見てるっていう連絡はあったんですけど、今日はまだ……メールには必ず返信をくれる先輩なので、なんかあったのか心配で」
さくらも、心配そうに市役所前に設置された大型モニターを見つめた。先頭をゆく3校から鹿鳴館、名東が遅れ始めている。
『鹿鳴館の町野と、名東の村田は同洋大学のアンカー・矢田真理についていけません! 矢田が持ち前のスピードで快調に飛ばしていますが……いま、その町野と村田を、追い上げる望海の牧野がかわしていきました! トップ同洋と望海の差は13秒ほどです! 最終6区、残り3キロの地点で優勝争いはお互い初優勝を目指す同洋大学と望海大学に絞られています!』
沿道にようやくたどりついた春奈は、大勢の観衆をかき分けるように前に出ると、バッグから大きな望遠レンズを装着した一眼レフを取り出した。
「ど、どうしたんじゃそのごっついデジカメ?」
驚く秋穂を尻目に、春奈は三脚を取り付けて道の向こうにピントを合わせている。
「お古だけど、お母さんに譲ってもらったの。せっかくだから、みんなが頑張ってるところを撮れたらいいなって……重かったけどね」
カシャカシャと数枚試し撮りをすると、春奈はファインダーから目を離して笑みを浮かべた。
「準備完了……あとは、怜名たちが来るのを待つだけだね」
前をゆく真理の背中がどんどん近づいてくる。怜名は、スタートから掛けていたサングラスを取り外すと額に上げた。一度、大きく息を吸い込むと両腕に力が籠もる。
『さぁ、6区も残り1キロというところ、とうとう望海大学が先頭の同洋大学に並びます! 牧野が矢田の後方から迫り……まだ抜きません! 牧野が矢田の背後にピッタリとついて――風避けでしょうか? 関東インカレ3000メートル障害優勝の牧野怜名、前をゆく矢田真理をピッタリと捉えました! 残りの距離、スパートをかけて勝負を決めるのは同洋か、はたまた望海か? 初優勝のかかる両校、息が詰まるような白熱した優勝争いを繰り広げています!』
「ハアッ、ハアッ、ハアッ……」
前方の真理の呼吸が聞こえる。怜名は、その背中をじっくりと眺めた。腕が徐々に横振りになっているのが分かる。勝負を掛けるならもうすぐだ、と、心の中の自分が言う。怜名は、アームカバーに青いマジックで書かれた文字をまじまじと見つめた。
『行けると思ったところで飛び出せ。怜名ならできる。絶対にやれる。頑張れ! 琥太郎』
(琥太郎……!)
不意に、笑みが溢れる。再び前をゆく真理の背中を見ようと顔を上げた時に、怜名の目には見覚えのある人影が飛び込んできた。思わず、さっと真理の横に並んで声を掛ける。
「真理、あれ! ほら、沿道のところ」
「あっ!」
「怜名と矢田ちゃんが来たぞ!」
秋穂の声に頷き、シャッターを一気に何十枚と切る。ファインダーから顔を上げると、春奈は秋穂と共に迫る怜名と真理に向かって大きな声で叫んだ。
「怜名ーー! 真理ーー!! 後少しだよ、ファイトッ!」
「怜名、矢田ちゃん、行けっ! 残り500じゃ!」
思わず、猛スピードで駆け抜けてゆく怜名と真理も驚きの表情を見せる。
「春奈! 秋穂!?」
「さえじ、ほーたん!!」
それは、ゴール地点で待ち受けるメンバーも、寮で見守るひかるたちも同様だった。
「春奈!?」「春奈先輩!!」「秋穂!?」「高島先輩!?」
『先頭をゆく同洋矢田、望海牧野が同時に沿道の方を向きました! 沿道には、秋田学院初優勝の立役者だった冴島春奈さんと鹿鳴館の高島秋穂が応援に来ているようです! 奇しくも、先頭をゆく両校のふたりは秋田学院で冴島さん、そして高島の同期です! 同期の声援を受け、牧野と矢田がいま頷きあい――さぁスパート! 杜の都を真っ先に駆け抜けるのは濃紺のタスキ・同洋か、スカイブルーの望海か? 初の大学女王の座をかけて、両校のアンカーが全速力でゴールを目指して行きます!』
あっという間に走り去った怜名たちの背中を春奈はしばし見守っていたが、撮影した写真を確認するとすぐに秋穂に声を掛けた。
「市役所のところに急ごう!」
大通りを曲がり、ゴールに最初に飛び込んできたのはライトブルーのユニフォームだった。怜名は、タスキを手に取ると右手でそれを空に向かってかざした。
『壮絶な叩き合いを制したのはスカイブルーのユニフォーム・望海大学です! 今、小柄なアンカー牧野は笑顔でゴールに戻ってきます! 今年の全日本大学女子駅伝を制したのは望海大学です! 望海大学が初優勝――今、戻ってきたアンカー牧野をメンバーが担ぎ上げ、1回……2回と宙に舞います! 望海大学が初の栄冠に輝きました!』
(春奈……秋穂……わたし、やったよ!)
閉会式を終え、秋田学院の卒業生たちは春奈と秋穂のもとへと集まっていた。
「心配したんだよ!? もう……辞める前に相談ぐらいしてくれたって」
怜名が憤慨するさまに、秋穂はばつが悪そうに頭を何度も下げた。
「監督さんは分かってるから、ウチらは大丈夫だよ。とにかく、就職先が決まってるならよかったよ……みんな心配してるから、秋穂のこと」
涼子に促され、秋穂は鹿鳴館のメンバーたちのところへと走っていった。その場に残った怜名やその他のOGたちは、すっかり学生生活が板についた春奈をまじまじと眺めると感心したようにため息を漏らした。
「っていうか、知ってたけどさ、春奈めちゃめちゃ美人さんじゃない!?」
「ホントだよ! いつかモデルにスカウトされそうだよね!? ホント、今日は会えてよかったよ」
べた褒めする怜名たちに、春奈は恐縮したように手を何度も振った。
「流行りのファッションとかよく分からないから、友達にコーデしてもらってるだけだよ……それより、授業とかバイトとかサークルとかインターンとか毎日忙しくて……あっ、そうだ!」
「?」
春奈は、バッグから再び一眼レフを取り出した。
「明後日、渋谷でみるほちゃんと会うんだ! せっかくだから、秋穂ちゃん戻ってきたら皆で写真撮りたいんだけどどうかな?」
「賛成! みるほによろしく伝えてね! おーい、秋穂!」
皆が頷くと、春奈もニッコリと笑みを浮かべて三脚を組み立て始めた。
「わーっ、いいなあ! わたしも仙台まで行けばよかった! みんな、元気そうで安心したよ……秋穂ちゃんも」
「そうだよ! みんな、みるほちゃんに会いたがってたよ? そうそう、まなち、この前学生結婚したらしいよ」
「えっ、うっそ!? え、相手はだれだれ!? もしかして、できちゃった結婚とか!?」
みるほは、春奈が撮った写真を手に思わず身を乗り出す。仙台で秋穂たちと再会を果たした数日後、春奈はみるほと二人で渋谷のカフェでくつろいでいた。しばし談笑していたふたりだったが、みるほがとあるパンフレットを鞄から取り出すと思わずため息をついた。
「解散かぁ……」
みるほが取り出したのはルナ=インフィニティのファンクラブ会報だが、その表紙には大きく『THE DREAM NEVER END』と書かれている。ルナ=インフィニティは、来年1月のドームツアーを最後に解散することを発表していた。
「『夢は終わらない』――か……」
潤んだ目で会報を見つめるみるほは、推しのNOELLEからのメッセージを眺めていた。16名のメンバーそれぞれが、違う道を歩むという。春奈は、仙台での秋穂との会話を思い出していた。
「秋穂ちゃんが、こう言ったんだ――『いろんな節目はあるけど、思い続ける限り夢は終わらない』って。秋穂ちゃんも大学は辞めちゃったけど、今度は実業団でオリンピックを目指すって。JULIAちゃんも、今度はソロのアーティストになるって書いてあったから、それぞれの夢や目標に向かって頑張るなら、わたしはそれを応援しようと思う」
オープンテラスのカフェは、秋風が冷たい。春奈は思わずブランケットを羽織ると、手元のホットココアをすすった。
「あっつ!」
「あはは、春奈ちゃん、相変わらず猫舌だね」
春奈は、みるほの言葉に少しむくれるような表情をしてみせたが、すぐに手元の手帳を広げてあるページをみるほに見せた。ページには、様々な職業が箇条書きにされている。
「これは?」
春奈は、ペンを顎にやり首をかしげた。
「バイトしてみたり、インターンとかも行ったりしてるんだけど、どういう仕事がいいのかなって思って……将来の目標は変わってないんだけど、どんな仕事がしたいのかとか、全然見当がつかなくて。……あっ!」
「どうしたの?」
春奈は、腕時計をみるほに見せた。
「みるほちゃん、家庭教師のバイトそろそろじゃない? もう出ないとダメだよね?」
「ホントだ! 春奈ちゃん、ごめんね。ドームのチケットの予約取るから、分かったら連絡するね……」
みるほがそう言い、春奈たちが席を立とうとすると物音とともに叫び声が聞こえた。
「うわっ!!」
ドンガラガッシャーン……
「えっ、なに、なに!? あっ、大丈夫ですか!?」
「イテテテテ……」
春奈たちのすぐ後ろに座っていたスーツ姿の男が転んだらしく、男は頭から水を被っている。そのツンツンに突き立てた髪が水しぶきでびしょ濡れになり、男は苦笑いしながら頭を下げた。
「ケガはないですか!? 大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫です……それより」
男は、二度頷くと立ち上がった。190センチはあろうかという男は、春奈の顔を二度三度とまじまじと眺めると、急に春奈の手を取って叫んだ。
「「う゛づぐしい゛っ!!!」」
「えっ、えっ!?」
「ちょ、ちょっと、春奈ちゃんに何を……」
慌ててみるほが制すると、男はハッとして慌てて手を引っ込めて再び頭を下げる。
「いや、あまりに美しい女性だったので……あ、すみません、私決して怪しい者ではなく……これを!」
そう言うと、男は懐の名刺入れから一枚の名刺を取り出した。
「株式会社スワン・プロダクション……村上……達也?」
その長身の男――名を村上という――を不審な目で眺めていたみるほは、村上が手渡した名刺を見て驚いたように叫んだ。
「は、春奈ちゃん……この人!」
「えっ、何、どうしたの?」
「スワン・プロダクションって……白鳥奈緒子さんって、この前までプロ野球――横浜ヤングスターズのオーナーだった人が立ち上げた芸能プロダクションだよ!」
「えっ、みるほちゃん、どうしてそんなこと知ってるの?」
春奈が驚いたように、みるほと村上の顔を交互に見つめる。村上は、みるほに頭を下げると口を開いた。
「ご存知頂いていてありがとうございます。そう、私はこのスワン・プロダクションでスカウトを担当しています――ぜひあなたを、当社所属のタレントとしてスカウトさせていただけないかと思い声をお掛けしました」
「……!?」
「えっ!? 春奈ちゃん、スカウトだって!! どうする!?」
当の春奈は、呆然とみるほを見つめている。すると、村上が突如再び叫んだ。
「「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっ!!!???」」
「なっ、なっ、なんですか今度は!?」
「おっ、思い出しました!!あなた……」
鼻息荒く迫る村上をみるほが再び制しようとするが、村上は再び春奈の手を取ると、目を見開いて叫んだ。
「あなた、あの……日本最速女子高生と呼ばれた……冴島春奈さんじゃありませんかっ!? 僕……いや、私、大ファンだったんですっ!! これもなにかのご縁です、ぜひ当社専属のタレントとしてお迎えできればっっ!!!」
二度にわたる村上のラブコールにもなお春奈は事態が飲み込めずポカーンとしていたが、数秒ののち事態をようやく飲み込めたのか、空を見上げて突如叫び声を上げた。
「えっ、えっ、えええええーーっ!?」
都会のビルの谷間に、春奈の絶叫がこだまする。テーブルに置かれたままの手帳が風になびくと手帳の最後のページが開き、そこには春奈が記した目標が記されている。
「夢を与えられる人間になる」
春奈はそれからしばらく、村上の顔を見つめたままその場に立ち尽くしていた。
<Fin.>
長きに渡り、たくさんの応援を頂きありがとうございました!
「いつか輝く星になれ」、全150話完結です。
春奈たちは、それぞれの道で輝く星となるためにこれからも走り続けます。
わたし自身も、また新たな作品の為に引き続き表現や造形を頑張って研いて行きたいと思います。
改めて、これまでお寄せいただいた数々の応援に心より御礼申し上げます。
また次の作品でお会いしましょう!
(あんじょうなほみ)




