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第六十三頁『妹の心兄知らず』

 『―――最下位は……ごめんなさーい、6月生まれのあなた。

 

  身近な人とすれ違ってしまいそう。あなたは優しさのつもりでやったことでも、

 

  色々と裏目に出ちゃうかも。気のおけない仲良し相手には、特に気をつけてね。

 

  そんな貴方を救ってくれるラッキーアイテムは―――』




 「……朝から不吉なこった」


 何となく見ていた朝の情報番組の占いコーナー。

 どうやら運勢が今一つらしい。

 今日だか今週だか知らないけど。


 と、今は見た直後だからあたかもダメージを受けた体でいるが、実際にはすぐ忘れる。

 興味のないことなんてそんなもんだ。

 周囲の事に頓着が無さすぎるとも言われるけど……占いくらい、気にしなくたっていいだろ?

 それも悪い占いなら尚更。


 そんなこんなしている内に、あやのが階段を降りる足音が聞こえてきた。




 「おはよーお兄ちゃん。もう起きてたんだ」


 「おはよ、あやの。なんか目が冴えちゃって。

  あやのこそ、もう具合はいいのか?」


 もう起きてきたんだってのは、どちらかと言えば僕のセリフな気もしなくはない。



 「うん、一日寝てたからね。

  お兄ちゃんも、昨日はありがとう」


 「どういたしまして。

  僕もなんかちょっと疲れてたっぽいし、家で大人しくできてよかったよ」


 実際、母さんの電話に出てからあやのはぐっすり寝てしまってて、

 その後は熱もかなり引いてたから、正直看病らしい看病はしていない。

 かえって、僕の方が家でゆっくりしてしまったくらいだ。



 「体力自慢のお兄ちゃんが疲れてたなんて、珍しいんだね?」


 「体力自慢って……圭輔じゃあるまいし。

  それに、女子ソフト部の皆さんには負けるって」


 「あー、ひどいよお兄ちゃん。ウチの部活を何だと思ってるの?」


 人使いが荒い部活……とは口が裂けても言えないが。

 冗談はさておき、タフさについては、志木高でも指折りの集団だと思うけどな。



 「っていうか、お兄ちゃんも大丈夫なの?

  もしかして、わたしの風邪がうつっちゃった?」


 「そういうんじゃないから、あやのは余計な心配するなって。

  そんなことより、病み上がりなんだからまだ大人しくしてるんだぞ」


 急に目測がおかしくなったりだとか、手に力が入らないだとか、

 よく分からんこと言ったらそれこそ余計な心配かけそうだしな。

 なに、僕も少し疲れてただけだろう。



 「昨日から急にお兄ちゃんぶっちゃってさー、お兄ちゃんのくせに」


 「お前、それ字面にしたら意味わからんこと言ってるからな。

  とにかく、治りかけでぶり返されちゃかなわんし。

  もうすぐ母さんも帰ってくるんだから、それまでにちゃんと治さないとな」


 「分かったよー、もう。

  そういえば、お母さん帰ってくるのいつだっけ?」


 「29日の夕方ごろに駅だと。

  今日は27日だから……明後日だな」


 「そっか。じゃあ、けっこうゆっくりできそうなんだね。

  楽しみだなー」


 確かに、今回は珍しくゆっくりな休みの気がする。

 結局、昨日の電話の後で来たメールには帰りに時間が書いてあっただけで、

 重大発表とやらには触れられてはいなかったけど……さて、何が発表されるのやら。



 「お母さんも心配しすぎだよねー。

  ちょっと風邪ひいたぐらいで、すごく驚いてたんでしょ?」


 「若干オーバーなところも無くはなかったけど、普段会えないんだし、そりゃ心配もするだろ。

  普段会ってても心配するんだし」


 「それって、お兄ちゃんも心配してたってこと?」


 「当たり前だろ。妹なんだから」


 「―――妹だから、か」




 「それに、普段から家事全般任せきりで、負担かけてたかな、とか」


 「って言っても、ご飯は確かに私が作ってるけど、

  掃除とか洗濯は手伝ってくれてるじゃん。

  特に最近は」


 「そりゃそうだけど……まあとにかく、あんまり無理するなよ。

  別に病気じゃなくても、アレだ。もうちょっとくらい甘えてもいいんだからな」


 言っててどうにも照れくさくなって、思わずあやのから目をそらした。



 「甘えていい……か。

  でも、それって―――」


 「ん? どうかした?」


 「ううん、なんでもない。

  じゃあさ、今日はお兄ちゃんが朝ごはん作ってよ」


 「朝ごはん作ってだぁ?」


 普段は手伝われると余計に手間だって、洗い物の時しか台所に入れすらしないくせに。

 どういう風の吹き回しだ。



 「どうせ暇なんだから、いいでしょ?」


 「暇ってなぁ……まあ、暇だけどさ」


 「じゃあいいでしょ。

  ほらほら、可愛い妹の頼みなんだから。

  それに、今日は甘えていいんでしょ?」


 「そりゃまあそうだけど……なんかずるくないか?」


 「そんなことないもーん♪」



 「―――ったく、味が悪くても、文句は言いっこなしだからな」


 「分かってるって」


 なんか急に妙なくらいテンションが上がって、ある意味恐いんだが……。

 とりあえず、回復したって考えておけばいいのか?



 その後、昨日一人で食べたようなごくごく簡単な朝食を作ったが、味については何もコメントがなかった。

 ただただ、やけに嬉しそうなあやのの様子が印象に残った。


 まあ、元気になってなにより……かな。

 風邪ひかれてるよりはよっぽどいい。




 結局この日は、二人でダラダラしてる内に過ぎた。

 二人で、と言っても四六時中一緒にいたわけじゃないけど。

 ただ、あやのがいつもより少しだけよく絡んできたような、そんな気がした。




 ………




 ………………




 『買い物に行きます』


 というあやのの一言を、『そうか、いってらっしゃい、気をつけてな』と送り出そうと思った―――が。

 そうは問屋がおろしてくれないようだ。




 「このクソ寒い中、なんでこんなことしてるんだか……」


 買うものが多いとかで、僕も買い物に駆り出されていた。

 年の瀬も迫り、吹く風は凍てつくほどに寒い。



 「ぶつくさ言わないの。

  働かざるもの食うべからずだよ、お兄ちゃん」


 「へいへい……」


 「それとも、寒いなら手でもつなぐ?」


 一歩分、僕の方に近寄ってそんな事をのたまう我が妹。

 冗談とも、あるいは本気ともとれそうな、そんな表情で。



 「ばっ、バカ言ってろ」


 「あはは、照れてる照れてる♪」


 「ったく……兄貴をからかうなって」


 照れるってのはあながち間違っちゃいないが。

 そりゃ、いきなりあんなこと言われりゃ驚くっての。



 「まあ、寒いのも分かるけどね。

  昨日、おとといとちょっとゆっくりし過ぎちゃったから、

  ちょっとずつ買い物とかもしておかないと、年末年始に食べるものホントになくなっちゃうよ?」


 「そりゃ困る」


 「でしょ? だったら、荷物持ち、よろしくね」


 背に腹は代えられんというやつか。

 上手いこと誘導されてる気がしなくもないけど。



 「で、今日はなにを買うのさ?」


 「とりあえず大掃除の道具に、今日のご飯に。

  それから、明日はお母さんも帰ってくるし、ちょっと豪勢にしたいなーって思うから、その食材も」


 「ちょっといっぺんに買い過ぎじゃないか……?」


 「そんなことないって。何回も出かける方がかえって大変でしょ?」


 むぅ……重い荷物か、寒い中の行軍が複数回か。

 悩ましい問題だ。



 「そんなに真剣に考えなくても……。

  別にお米三袋持ってって言ってるわけじゃないんだしさ」


 「そんなのはどっかの居候にでも頼んでくれ」


 「どうでもいい冗談はともかく。甘えていいんだもんね?」


 「いやまあ……あやの、やっぱり昨日からずるくないか?」


 「そんなことないって♪」


 可愛い妹の頼み、無下にするつもりは無いが、どうにも“お兄ちゃんに甘える権”を上手く使われちゃってるな。

 我が妹ながら、兄より一枚上手か……認めたくないが。




 そんなこんな、あやのの指示に従って諸々の品物を調達し、結局七対三くらいの割合で荷物を分け合って帰ってきた。

 もちろん、僕が七の割合で荷物を持ったのは言うまでもない。



 「はぁ……お隣さんのよしみで、茜ちゃんに手伝ってもらった方が良かったかな……」


 「ウチの買い物なのに、茜さんは関係ないでしょ。

  それに、お兄ちゃんがいるからいいの!」


 ちょっと不満そうにあやのが言う。

 ここしばらく、嬉しそうにしてるのしか見てなかったから、少し新鮮な気がした。


 選ばなかった選択肢をあれこれ考えても仕方ないということか。

 あやのの言うことも、もっともではある。




 寒い中の買い出しを手伝ったことに配慮してくれたのか単なる巡りあわせか、昼は煮込みうどん、夜は湯豆腐と実に温まるメニュー。

 これならば出かけた甲斐もあるというものだ。

 メシが美味かったからか、今日もあやのは終始ご機嫌だった。




 ………




 ………………




 あくる日の午後。


 『夕ご飯の準備をします』


 というあやのの一言を、『そうか、頑張ってな』と励まして部屋に戻ろうとした―――が。

 そうは問屋がおろしてくれないようだ。

 どうにも昨日と同じ展開のような気がするが、気がするんじゃなくてまったくその通りだった。




 「働かざるもの食うべからずって、昨日も言ったでしょ?」


 「そりゃ分かってるし、手伝うのもやぶさかじゃないけど……」


 「けど、何?」


 「僕なんかで手伝うことがあるのかなって」


 確かにここ何日かでおかゆを作ったり、と言ってもこれはインスタントだから、作った内に入らないか。

 後は朝食を作ったりもしたけど、逆に僕の料理の腕前なんてのは精々これくらいのものだ。

 そんな僕が、高校一年にして既に百戦錬磨級の経験値を持つあやのを手伝うことなんてあるのかというのが、正直なところだった。



 「大丈夫大丈夫、そんなに難しいことやってもらうつもりはないから。

  それに、お兄ちゃんは意外となんでも器用にこなしちゃうし」


 「意外ってな……」


 まあ確かに、やらないだけでできないわけではないとは思う。

 やるとやらないの差は大きいという意見はさておき。



 「それにさ、せっかくお母さんに食べてもらうんだから、私だけで作るんじゃなくて、

  兄妹ふたりで頑張りましたっていう方が、お母さんも喜ぶと思わない?」


 「ん……そこまで言われたら、ね。

  わかったよ、手伝うって」


 「ありがと、お兄ちゃん♪」


 何がそんなに嬉しいのか、あやのが笑う。

 が、拗ねられるより笑ってる方がいい……なんて思うのは、僕もたいがい兄バカが過ぎるんだろうか?






 そんなこんなで、兄妹仲睦まじく母親孝行(と言えるかは微妙だが)に勤しんでいると。



 「今年はさ、色んなことがあったよね」


 などと、あやのがこんなことを言い始めた。



 「なんだよ、唐突に」


 「いやあ、年末だし、せっかくだからこういう話題もどうだろうって」


 「どの辺がせっかくなんだよ。

  あと、なんかデジャヴなんだよな、この会話」


 「なんの話?」


 「……いや、こっちの話」


 ああ、そうか。

 こないだ茜ちゃんと一通り今年の思い出話……というか、謝ったり許されたり、そんな話をしたんだったな。



 「まあ、なんでもいいんだけどね。お兄ちゃんはさ、今年はどんな一年だった?」


 「どんなって言われてもな……あやのが言う通り、色んなことがあったのは間違いないかな。

  それで、色々あったけど、楽しいっていうか充実してるっていうか、そんな一年だった」


 「そうだよね。お兄ちゃん、ホントに色んなことやってたもんね」


 少し遠い目になってあやのが言う。

 珍しく頑張ってただの、軽口の一つでもあるかと思ってただけに、少し予想外の反応だった。



 「概ね楽しい一年だったよ、今年は。

  そう言うあやのはどうだったんだ」


 「私は……私も色んなことがあったなぁって。

  志木高に入って、ハルとか愛美と一緒なのは中学からだけど。

  でも、ソフト部にも入って、後はバンドやったりとか。

  お兄ちゃんほどじゃないけど、色んなことがあったって思うよ」


 はたから聞く分には充実した高校生活を送っているように聞こえる。

 聞こえるのだが、どうもあやのは思うところでもあるのか、どうも表情が冴えない。



 「その割には、あんまり楽しそうじゃないな」


 「そういう訳じゃないんだけど……みんながうらやましいっていうか」


 「うらやましい?

  なんだ、まだ何かやりたいことでもあるのか?」


 あやのだって気のおけない友達がいて、部活に打ち込んで、バンドまでやって。

 うらやましいどころか、逆にうらやましがられる一年だと思うけど。

 それとも生徒会でもやりたいんだろうか。



 「そういうんじゃなくて……いや、ある意味ではそうっていうのかな?」


 僕に確認をとったのか、あるいは自問したのか。

 よく分からない疑問形をとるあやの。



 「ねえ、お兄ちゃん」


 「ん? どうした?」


 そんな彼女は、不意にこっちへ向き直って改めて問いを投げてくる。

 どうやら今年一年の回想タイムは終了みたいだ。



 「愛美とはさ、結局どうなったの?」


 「……は?」


 あまりに突然出てきた名前にずいぶんと間抜けな声が出てしまった。



 「いやいやいや、なんでそこで愛美ちゃんの名前が出てくるのさ?」


 「だってさ、お兄ちゃんは愛美には妙に優しいというか……例の声優さんってことを抜きにしてもさ。

  だから、何かあったのかなって」


 「あのな、あやの。

  前にカラオケで練習に付き合ってた時も言ったけど、

  愛美ちゃんとは本当にそういうのじゃないからな。

  そりゃまあ、大切な後輩なのは間違いないけど」


 「大切な後輩……ね。

  でもさ、愛美の気持ち、知らなかったとは言わせないよ?

  あの子も最近でこそ、あんまり言わなくなったけど……」


 愛美ちゃんの気持ちって言われて何の話か分からないほど、僕も鈍感ぶるつもりはない。

 バンド発表の時、カラオケでの練習からの一連の騒動を思えば、愛美ちゃんが僕の事を悪しからず思っているのは、

 うぬぼれじゃなく想像に難くない。

 だけど、この問いに答えようがないのもまた事実だ。



 「前も言ったかもしれないけど、愛美ちゃんから直接何か言われたわけじゃないからさ。

  ただまあ、やっぱりそういうのじゃないじゃないか、きっと」


 そしてあやのも薄々感づいてるかもしれないけど、愛美ちゃん自身も“そういうの”じゃなかったのかもしれない。

 思慕といっても、憧れとか、後は頼れるお兄ちゃん、先輩とか。

 僕にそういう要素があったのかはともかく。

 あの娘が僕に抱いてた感情は、そっちに近かったのかななどと、今になって思う。



 「でもさ、優しくしてたのは間違いないよね」


 「そりゃな、頼まれたってのもあるし、あそこまで首を突っ込んだら放っておけないっていうか……。

  愛美ちゃんって放っておけないところあるだろ? あやのだって、それは思ってるんじゃないか?」


 「それはそうだけど……」


 何が気に食わないのか、あやのは納得のいかない表情のままだった。



 「じゃあさ、空木先輩とか、西園寺先輩とか、それから福谷先輩も?」


 「どういう人選だよ。

  っていうか、何の話だよ」


 「先輩の事はよく分からないところもあるけど……でも、お兄ちゃんズルいよ。

  誰にでも優しすぎて」


 僕に向かってなのか、あるいはもはやひとり言になっているのか。

 あやのは途切れることなく言葉を続ける。



 「なんでかな……そんなことあるわけないのに、お兄ちゃんが誰かにとられちゃいそうで。

  とられるとかとられないとか、そういうことじゃないのに」


 「あやの……?」


 「きっとお兄ちゃんは、先輩方にも、困ってるからとか、頼まれたからとか、大事な友達だからとか……。

  それだけで優しくできちゃうのかもしれないけど……でも、私は―――」


 やや間があって。

 正確にはどれくらい時間があったのか分からないけれど。



 「ゴメン、やっぱりなんでもないや。

  忘れて、お兄ちゃん」


 あやのから出てきたのは、変な半笑いと、とてもそのまま飲み込むことのできなさそうな言葉だった。



 「だけど、あやの―――」




 「忘れてってば!!」


 久しぶりにあやのが大きな声をあげるのを聞いた。

 そうまでされて、食い下がれるはずもなく。



 「……ゴメンね、お兄ちゃん、変なこと言って。

  さっ、さあ、続き続き!

  もうすぐお母さん帰ってくる時間になっちゃうよ!」


 「あっ、ああ……」


 さっきの声が嘘のように、不自然なまでに明るく振る舞うあやの。

 忘れての一言で忘却できるほど、僕も単純ではないし、

 そして妹に冷たいつもりもない。


 だけど、今この場では、呆気にとられてというか、勢いに飲まれてというか。

 多少ぎこちなさを感じつつも、再び調理に戻るより他はなかった。




 なんで自分で話をふってくるような形で、それでいて一方的にすら聞こえる言葉で終わらせるような話題を選んだのか。

 そうまでして僕に話したいこと、あるいは聞きたいことがあったのか。

 それならそれで、どうして最後までそうしなかったのか。


 この何日か、いつもよりあやのと長く接して、あやのの事を考えることが多かった分、

 余計に気になった。



 (あやののことを考える……か)


 本当にそうだったろうか。

 考えてるような気にはなっていたが、その実、彼女の事を何も分かっていなかったんじゃないか。

 あやのが何を思い、何を考え、何を感じてるのか。

 分かっていれば、もう少し上手く立ち回れたような、そんな気がする。



 (何があやのの方が一枚上手だよ―――)


 この何日か、やけに甘えてくるあやのに応えて、いや応えるつもりで、ずいぶんと兄貴ぶってきたが、

 一枚上手どころか、同じ土俵にすらまともに立てていなかったようだ。


 ふぅと、一つ大きく息をはいて、ひとまず気持ちを落ち着かせる。

 今はとりあえず、目の前の料理だ。

 あやのにその気がない以上、何を言っても無駄だ。

 そう考えるしか、ないよな。






 ………






 ………………






 そんなこんなしてる内、いつの間にか母さんが帰ってきて。

 気づけば久しぶりに三人で食卓を囲んでいた。


 さすがに母さんには微妙な空気を悟らせまいと、あやのも僕も努めていつも通りに振る舞った。

 特にそういう申し合わせがあったわけじゃないが、こういう部分はやっぱり兄妹なんだと思う。


 その甲斐もあってか、ひとまず母さんから追及の言葉などもなく。

 僕たちの目論見どおり、料理での親孝行というか、もてなしには成功した。


 だけど、とにかくギクシャクしないように、しないようにと気を遣っていたからか、あんまり話は耳に入っておらず。




 「―――というワケで、この年明けから、お母さんは日本でお仕事をすることになりました。

  よって、これからは、この家で、また三人一緒に暮らします!」




 いつの間にかなされていた“重大発表”に、上手く反応もできないまま今日が終わったのであった―――

 ども~作者です♪

 Life第六十三頁、いかがだったでしょうか?


 あやの編の二話目ですが、ちょっとあっさり終わりすぎちゃったかな^^;

 細かい話は次回以降にということで一つ(笑)

 ちゃんと色々とフォローしていきますので、あしからず。


 あやのが急に不機嫌になったのはどんな理由があるのか。 

 また母さん帰国の真相はなんなのか。

 その辺のお話になるかなーと思います。

 次回も期待し過ぎない程度に期待してお待ちください。


 それではまた次回☆

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