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俺とシロ(second)  作者: マネキネコ


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68. 教会本部

 その翌朝(よくあさ)


 俺はポニテちゃんの案内で集められた者たちがキャンプをしていたという場所に来ていた。


 念のため認識阻害(にんしきそがい)の結界は張っている。


 キャンプ地になっていた広場をぐるりと一周まわってみたが、手がかりになるようなものはこれといってなかった。


 んんん、しかし千人だろう?


 帝都(ていと)を出てないとすれば何処(どこ)かに収容(しゅうよう)されたはずだ。


 そこで、千人規模(きぼ)で収容できるような施設(しせつ)がこの帝都にどれぐらいあるのかポニテちゃんにたずねてみた。


 答えはすぐ返ってきた。


 「その規模なら帝城(ていじょう)か、この先にある教会本部(きょうかいほんぶ)ぐらいですね」


 帝城とは尖塔(せんとう)が何本も立っているアレのことだろう。


 あとは教会本部だが……。


 ポニテちゃんに案内してもらい、やってきました教会本部。


 ナニこれ、もうお城じゃん! 


 この巨大で豪華(ごうか)建物(たてもの)が教会なのだそうだ。


 すげーよな。これなら数千人は収容できるんじゃないか?


 今はなきバルタ帝国の遺産(いさん)のひとつで、建てられてから500年以上は経っていますとポニテちゃんから説明をうけた。


 そしてサンタクレス大帝国のもう一つの顔。


 それが人族至上主義じんぞくしじょうしゅぎ宗教国家(しゅうきょうこっか)であるということ。


 教会に背いたものは、


 聖騎士(せいきし)により教会に連行され、(てい)よく異端審問(いたんしんもん)に掛けられたのち尋問(じんもん)拷問(ごうもん)のオンパレードだ。


 たとえ生きて戻ったとしても、ものも言えぬ廃人(はいじん)になってしまっているそうな。


 お――――っ、怖い怖い。






 帝城もすぐそこに見え、キャンプ地の広場から歩いて30分程か……。


 合理的に考えると疑わしいのはココだよな。


 自由に入れるのかと聞いてみたが信者(しんじゃ)以外は出入りできないそうだ。


 なるほどね。では夜コッソリと入ることにしようか。


 帝城の方にも行ってみたかったけど、貴族街(きぞくがい)を通らないと向かうことができないらしい。


 一般人はほとんどが貴族街に通じる門ところで止められてしまい、貴族街の中へは入れないようになっているそうだ。


 まぁ俺たちなら認識阻害の結界を使えば入れるだろうが……。


 めんどくさい上に疲れそうだし、今日のところは遠慮(えんりょ)しておこう。


 教会の方を先に調べて、何も出なければ帝城の方もコッソリと見学させてもらいましょうかね。


 そのあとはポニテちゃんと一緒に昼食をとり、帝都の中を案内してもらった。


 「また何かありましたら気軽に声をお掛けください」


 そう言って深々と頭を下げポニテちゃんは夕刻前に帰っていった。


 お持ち帰りもできそうな雰囲気だったけど……。


 おばば様の息のかかった者に手を伸ばすと、あとが面倒(めんどう)というか、体よく面倒ごとを押しつけられるというか、過去何度も大変な目にあわされているので今回は自重(じちょう)することにした。


 そうそう引っ掛からないもんね~。


 宿屋に戻った俺たちは夕食に明太マヨネーズをたっぷりかけた牛丼を食べ、そのあとはベッドの上でシロとヤカンをもふりながらマターリ過ごしていた。


 そしてみんなが寝静まった深夜。


 潜入(せんにゅう)するには良い頃合いである。


 「先にいくぞ!」


 俺はトラベルを発動させ、昼に来た教会の前に転移(てんい)した。


 人通りがないことを確認したうえで俺はシロとヤカンを召喚(しょうかん)した。


 2匹が足にすり寄ってきたので、とりあえず頭を()でておく。


 教会前にある門の高さは3m程。


 もちろん門は閉まっているのだが、門番の姿はどこにもない。


 ――門になにか仕掛けがあるかもしれないな。


 そう思った俺たちは門の周辺は()け、裏手の(へい)から侵入することにした。


 さすがに教会内部は警備(けいび)厳重(げんじゅう)なようである。


 衛兵が頻繁(ひんぱん)に建物のまわりを巡回(じゅんかい)しているのだ。


 その警備の隙間(すきま)をつき、静かに建物へと近づいた俺は地面に手を当てる。


 ――ダンジョン・マップ!






 ほうほう、やはりそうだったか。


 ここにはダンジョンが存在している。


 そしてダンジョン前広場を(かく)すように教会(きょうかい)の建物がその上を(おお)っているのだ。


 さらに探っていくと、一部建物の(かぶ)っていないところを裏手に発見した。


 お――っ、ココだココだ。


 (シロ、この土の部分を(なな)め下に向かって掘ってくれるか。遮音(しゃおん)の結界も忘れずにな)


 (り!) 


 り! ってなんだよ? もしかして了解のり! なのか?


 ま~たギャルマリに変なこと教わってんなぁ。


 シロに念話(ねんわ)を送りながら、目印になるよう土の上に円を描いていく。


 衛兵が通り過ぎるのを見計らってから俺がGOサインを出すと、


 3mの(とら)ぐらいの大きさになったシロは、前足を交互(こうご)に動かしてガスガス土を掘っていく。


 尻尾だけが見えてる状態だから4m程だろうか、掘っいた穴はポコンと突き抜けた。


 そのまま下りていったシロから念話が届く、


 (あいた、おけまる、きて、くらい、はやく、うれしい)


 次にヤカンが続き、


 最後の俺は、穴の入口に認識阻害の結界を(ほどこ)してから中に入っていった。


 下に下り立ったところで、ポウ、ポウ、ポウ、ポウ、ポウ、


 いくつもの狐火(きつねび)をヤカンが展開してくれた。


 すると青白い炎に()らされて地下空洞(くうどう)全容(ぜんよう)が見えてくる。


 天井(てんじょう)の高さは2m程か、手を伸ばせば()れることができた。


 これが教会建物の土台になってるわけか。


 大きな(はしら)が何本も立っているので全体の広さは分かりにくいが、足元の感じからしてダンジョン前広場であることがうかがえる。


 まあ、ダンジョン・マップもそう示しているので疑いようもないんだけど。


 とりあえず俺たちは1階層(かいそう)に続く階段へ向かうことにした。


 しかし不思議(ふしぎ)なんだよなぁ。


 教会の建物を(ささ)えているこの柱なんだけど……、


 なぜダンジョン前広場に平然(へいぜん)と立てられているのだろう? それも結構な数である。


 考えられることは、


 以前にも俺と同じように【ダンジョンの使用者権限(しようしゃけんげん)】を有した者がいたということだ。


 その者は転生者だったのか、あるいは召喚(しょうかん)された勇者(ゆうしゃ)だったのか……、人族ではなかった可能性もあるよな。


 いろいろと考えているうちに階段前までやってきた。


 どの道ダンジョンに入ってみるしかないだろう。


 俺は左側にシロ、右側にヤカンを(したが)え、ゆっくりと階段を下りていった。


 そして1階層に足を踏み入れたと同時に、


 ピピピーン! ピピピーン! {このダンジョンの使用者権限(しようしゃけんげん)更新(こうしん)が行われておらず失効(しっこう)しております。(あらた)めて使用者権限を設定しますか?}


 【 YES ・ NO 】






 おおっ何だ? このパターンは初めてだな。


 特に問題もないので【 YES 】と(ねん)じてみる。


 ピーン!{時空間魔法(じくうかんまほう)(U)により、ダンジョンの使用者権限を取得しました}


 ――よし。これはいつものパターンだな。


 (おーい、聞こえるか?)


 [はい、お帰……、 烈風? 知らない子ですね]


 (あ、あのな~)


 [はい、お帰りなさいませ旦那(だんな)さま。お食事になさいますか、お風呂になさいますか?]


 (お、おう、飯は食ってきたから風呂を……って、ちが――――う!)


 [それではわたくしになさいますか?]


 (ちょ、ちょっと待った! 待っておくれな)


 [はい♪]


 まずは名前だよな。


 (俺はゲン。こっちが従魔(じゅうま)のシロとヤカンだ。お前さんには名前があったりするのか?)


 [はい。ゲンさま、シロさま、ヤカンさまですね、登録(とうろく)致しました。わたくしの名前は暫定(ざんてい)で【クジョウ・カオルコ】となっておりますが変更なさいますか?]


 あ~、赤城(あかぎ)さんじゃなかったのね。


 (では【ハルカ】で頼んます)



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挿絵(By みてみん)
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