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第三十一回  喫茶


やっと投稿できました。

お待ちしてくださったかた、大変お待たせしました……。







「あっという間だなあ……」


 都市型円盤の養護施設――俗に言う孤児院である。



 中学生としてそこで過ごしていた転生者・八太郎は今や三年生となっていた。

 とにかく、勉強やスポーツに打ち込んだ日々だったと言えよう。


 前世ではどちらも不完全燃焼であり、今生ではろくに学校に行けなかった。


 今現在では、人造人間やロボットの指導で、文武をよく学べたのがありがたい。


 得意な分野を伸ばしつつ、苦手な分野も開拓する喜び。

 タンパク質やビタミンなども十分とれるので、成長面も安心である。


 同級生たちも数年で、背が伸び、体格が良くなっていた。


 部活動も運動・文化共に充実。


 その中で、八太郎がロボット部に入った。

 オモチャのようなものから、あちこちで使われているような人型ロボットまで。

 幅広く学び、研究できる。


 それを知った時、何か感じるものがあった。


 実際、学んでみると面白いように吸収し、ソフトからハードまで理解する。

 三年生になる今では、人型ロボットを超えて人造人間のレベルまで到達。


(もしや、これか……?)


 その天才とも言うべきモノに、八太郎はハッとした。

 自分に与えられるチートと言うのは、どうもこれではあるまいか。


 このことに何の意味があるのかは、わからぬ。


 しかし、やってみると実に面白いのだ。

 研究にかかる費用や設備は使い放題なので、どんどんはかどる。


 八太郎は自律型のロボットを主だってやっているが、他の部員は色々だ。


 特に目立つのは、搭乗して操る人型機械である。

 アニメのように人間が乗り込んで操縦するものだ。

 試作機として開発されたものは、4メートルほどの汎用機械。

 みんな夢中だが、?一目連?のような人間サイズの汎用型がすでに存在する中では、


(あんまり必要ないだろうなあ……)


 と、正直思われる。


 そんなことを八太郎が思っていると、搭乗型の試作機がまた製作された。

 これをさらにコクピットを頑健にして、安全確保。


 やがて、何を始めるかと思えば――


 ロボット同士の格闘戦なのだった。

 まるで漫画みたいな光景なのだが、娯楽・見世物としては実に面白い。


「搭乗者に安全な装備を着せる必要があるね」


 と、火星人の意見。



 この話が広まると、他の学校でも真似をする者が登場。

 あっという間に、学校同士で搭乗型ロボットの試合となる始末。


 その他にも、搭乗型ではなく、遠隔操作型ロボットの試合も出てきた。

 これが通信網に乗って伝わると、世の少年たちは熱く燃え上がる。


 ロボット工学の波が、全国へと広がっていった。

 たくさんの要望を受けて、火星人はあちこちでロボット工学教室を展開する。


 その副産物として、若者の基礎学力が向上した。

 ロボットを製作するために、必要な知識や能力ゆえであろう。


 学生たちのアイデアは、様々な商品キットが開発されるきっかけともなる。

 まだオモチャのようなものだが、様々な生物の形をとった小型ロボが売れた。


 一種模型としても優秀であり、基礎の基礎を学ぶ上でも格好の素材でもある。


「すごい人工知能がすでにあるのに、人間の考えがそこまで必要なのかな」


「必要だよ。少なくとも幅広い進化・発展するためにはね」


 八太郎の質問に、火星人はそう答えている。


「現に君のアイデアと研究で、新たなタイプの人造人間が完成したわけだ」


 と、いうのは。


 八太郎は人工知能と人造人間を学ぶ過程で、


(人造人間は全部女性型なんだな?)


 という疑問が出た。


 どうやら、型番というか最初にベースがあったのが女性型ゆえらしい。

 一目連のようなものと比べても、女性型と言うのは優秀な点が多かった。


 特に、人間への心理的影響面では。


 なので、女性型ばかりだったわけだが。


(……男性型っていうのも、面白かろう)


 八太郎はそう考えてから、まずは少年型の研究を行った。

 人工知能の協力もあり、研究はどんどん進む。


 付与されたチート才能の力も大きかったわけだが。



 そして。


 学校の部室にて、少年型人造人間の第一号が完成してしまったのである。


 名称は、原子一号。


 八太郎は、前世で読んだロボット漫画の古典から、その名前を付けた。

 可愛らしい顔をした、俗な言い方だとショタ萌えを爆発させるようなデザイン。


 八太郎は人工知能と基礎の設計だけで、姿のデザインなどは人造人間教師に頼んだ。

 その影響かもしれない。


「ちゃんとした基礎が出来上がったので、他のタイプもこれから製作できるよ」


 原子一号を発表した際、火星人はそう付け加えた。



 すると。


 全国から、


「少年型を増やしてくれ!!」


 という要望が大量に寄せられた。

 男性もそれなりにいたが、女性からはかなり多かったようである。


「もっと年かさのものはできないのでしょうか?」


「彼らの給仕するお店に行きたいです」


 と、年配者から女学生まで色々といた。


「いわゆる娼婦型の少年版が欲しいのかな、やっぱり……」


 八太郎はコッソリと火星人にそう話してみた。


「なるほど。男性ほどわかりやすくはないが、女性にも性欲が存在する」


 男性ばかり充足させて、女性は放置すると言うのは間尺に合わないと言えた。


「ただ、人造人間では全てを満足させるのは無理かもしれないね。データを見る限り」


「人造人間では社会的地位や収入というものが期待できない。結婚もできない」


 男性でも、人造人間を妻にしたいと嘆願してくる者がかなりいた。


「人間と同じにするわけにはいかないから、それは無理なんだが――」


 今のところ、これらの要望は受け入れられていない。


「しかし、女性でも密かに愛人を作ったりする人もいるもんだそうですが」


「そのようだがね、現状夫の地位や財産で女性の社会的地位が決定するというところに……」


 変化が少ないのだよ、と火星人は語る。


 火星人統治下では、普通に就職して働く女性はどんどん増えているのだが――

 やはり『男性の収入』こそ、という風潮は強いらしい。


 ただ。

 生理などの体調不良は、火星人の医薬でほぼカバーされている。


 また、元小作農出身の女性などは火星人の世話した仕事で活発にやっていた。

 待遇が天と地なので、喜ぶばかり。

 つまり、それだけ労働環境が過酷だったということだが。


 過去のある例では、妊娠中も休みなく働き、出産の翌日から即働きに出ることもあった。


「社会的地位もそうだが、もう一つの問題もある。これも性欲と言えば性欲だが」


「なんです?」


「選別や排除の欲望だね」


「? それが性欲ですか???」


「まあ大雑把に言うと劣る遺伝子を除去したいという欲望。オスを選択したいという欲望」


「わかったような、わからんような……」


「複数のタイプを用意すれば選別欲はいくらか満たされるだろうが、排除のほうはね」


「排除って、あっさり言うとモテない男を排除?」


「まあ、そうなる。まあ、これも色んな段階があってね、完全に消滅してほしいと願う場合と自分たちに近づかず、労働力などだけを提供してほしいというものと色々ある」


「そんな都合のいい……」


 八太郎は思わず笑ってしまった。


「男の場合で言うなら、妊娠だけさせて後は知らん顔をしたい――というものだね」


「なるほど。そりゃひどい話……」


「遺伝子だけをまいて育児や労働などの提供はしたくない。実際そういう生き物もいるし」


「しかし人間の場合は……」


「生物は基本出来るだけ楽をしたいものだから。わざわざ肉体を鍛える野生動物はいない」


 そういうことらしい。


 売春廃止を叫ぶ女性たちも、そういった欲望に突き動かされているものだろうか。


「……まあ、どっちにしろそういう需要があるなら美少年カフェなんてどうです」


「そこで少年型の人造人間を働かせると?」


 確かに普通のカフェーでも、十五歳未満の少年が給仕となっているものもあった。

 現在未成年はみんな学校か職業訓練なので、なくなっているが。



 その後。


 火星人は銀座で試験的に、少年型の働くカフェーを開いた。

 まだ少年型の種類が少ない段階ではあったが。


 すると。


 男女関係なく、客がやってくる。やってくる。


 当初は女性が対象ではあったが、少年を好む男性と言うのも少なくなかったわけで。

 そこを参考にして、その後は男性用女性用のカフェーをそれぞれ開店。


 区別化によって、さらに客数は増えた。

 女学生など若い女性中心だったり、成人した婦人ばかりだったり。

 少年型を相手にしたい、男性の少年愛者などなど。


 なかなかの繁盛ぶりではあったが、


「今ひとつよくわからない」


 火星人はそのように語っていた。







リハビリ短編ではなく、けっきょくこっちの投稿となりました。



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― 新着の感想 ―
改めて読んだけど、ロボット工学の件だけでも欧米からしたら脅威だよな。 搭乗型二足歩行ロボットを10代の少年達が開発してるんだから。
[良い点] 待ってました。 ありがとうございます。
[良い点] 火星人と転生者の影響で日本人が正義や大義を排除したマジレス神拳の使い手になっていること。 まあ、文化にあれこれ言うアホは一世代後には消えてるだろうし、時々現れるアホを徹底的に見せ様にすれば…
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