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辺境の獣医令嬢〜妹に婚約者を奪われた伯爵令嬢ですが、次期辺境伯様に溺愛され辺境で獣医となって可愛い神獣たちと幸せに暮らしています〜  作者: 津ヶ谷
第3章

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第8話 聖女様

 ナイゲール家が侯爵家へとなった翌日。

ラースはクレインと共に教会本部へと向かっていた。


「教会、久しぶりに来ました」


 クレインは教会の大きな建物を見上げて言った。


「あんまり来る機会ありませんからね」


 教会は国から独立した機関である。

だから、国家であっても教会には安易に手を出すことはできないのである。


「でも、なんの用なんですかね。聖女様がラースさんに用があるなんて」


 聖女が個人を呼び出すということなど、聞いたことが無い。


「大丈夫ですよ。誰かを救いたいって思いは医者も聖女様も一緒なはずですから」


 教会のシスターに陛下からもらった紹介状を提示した。


「ラース様たちですね。お待ちしておりました。こちらへどうぞ」


 ラースたちは教会の応接間へと通された。


「お待ちしておりました。ラース先生」


 そこには、綺麗な銀髪を腰の位置まで伸ばした少女がいた。

可愛いというよりは綺麗と形容するのがだろうか。


 それはまるで天使様のようである。


「あなたが、白銀の聖女様……」


 その美しい銀髪から世間では“白銀の聖女“と呼ばれている。


「ええ、確かに世間ではそう呼ばれていますね。アナスタシアと申します」

「初めまして。ラース・ナイゲールです」

「はじめまして」


 そう言ってアナスタシアはニコリと笑う。


「まあ、とりあえずお座りください」

「失礼します」


 ラースたちはソファーへと腰を下ろす。


「急なお呼び出しになってしまい、申し訳ございません。ラース先生はすぐにオーランドへ帰ってしまうとお聞きしましたので」

「いえ、構いません。それで、私にどういったご用件でしょう? 治療の依頼ってわけでもなさそうですよね?」


 聖女様でも治せない病があるとすれば、それはラースでも治せるかは分からない。

最も、ラースと聖女では治療へのアプローチが違うようではある。


 ラースは医療魔法という特別な魔法を使うが、聖女は聖力という力で治癒魔法の領域である。


「ええ、今日ラース先生を呼んだのは治療の依頼ではありません」

「では、何を?」

「先日、女神様から神託がありました。ラース先生、あなたに女神の加護授けるようにと」

「聖女の加護……」


 聞いたことがある。

ローラン王国が信仰する女神は治癒の神だと言われている。

その加護を授かった者は過去に多くの命を救ってきた。


「なぜ、私なのでしょうか?」

「それは、私にも分かりません。ただ、誰かを救いたい、守りたいという想いが強い人ほど選ばれやすいと言われています」

 

 ラースは女神に選ばれた存在になったのだった。


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