表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】転生した子供部屋悪役令嬢は、悠々快適溺愛ライフを満喫したい!〜二つの王冠の子〜  作者: 木風


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/49

第21話「ポテトの塩気と氷の食感」①

「王太子妃殿下様!この度はご用命、誠にありがとうございます!!!」


王妃と茶会をした翌日のこと。

さっそく呼びつけられたマダム・フルールの第一声に、思わず背筋が伸びる。


「マタニティ・ドレスの準備は終わってまして?」

「!!わ、忘れてました!!」

「あら、大変……明日、わたくしからマダム・フルールに伝えておきますわ。お祝いに、好きなだけ仕立ててもらいなさい」


好きなだけって……エドの爆買い癖は、完全に王妃譲りか!?


「ご安心ください!この度はわたくし含め、口の堅いスタッフしか連れてきておりません!」


……本当かよ。あのドレスにトンチキな名前。信用ならな過ぎるんだけど!?

で、ちゃっかり隣に座ってる爆買い王子は……今回は何着作る気なんだろ。怖すぎる。


「さてさて!本題のマタニティ・ドレスでございますわね!!」


マダムが両手を広げると、侍女たちが一斉に布を広げて見せる。


「こちらは『母性の慈雨』ドレス。お腹を包みながらも軽やかに歩けるよう工夫しております!」

「そしてこちら、『生命の灯火』ドレス。胸元に宝石をあしらい、未来の輝きを象徴しております!」


……もう、名前のクセが強すぎる。

ていうか『生命の灯火』って、完全にRPGの回復アイテムじゃない!?


「……灯火、か。いい響きだ」

「やめろって!!名前の響きで即決すんな!!」


思わずテーブルを叩いた私をよそに、マダムはうっとりと目を細める。


「殿下が一言でも仰せになれば、それはもう天啓に等しいのです!」


……いや、だから。

突っ込む気力も削がれ、生地を手に取る。

淡いラベンダー、柔らかなアイボリー、空のように澄んだ水色。


胸下からふわりと広がるシルエットは、確かに動きやすそうだし、コルセットみたいに締め付けもない。

苦しさから解放されると思うと、ちょっとだけワクワクしてしまう自分が悔しい。


「リエルには、これが一番似合うと思う」


エドが迷いなく選んだのは、淡いブルーの生地。

陽光を受けると静かな湖面のように揺らめき、透明な輝きを宿している。


マダム・フルールが両手を打ち鳴らした。


「では『未来を抱く蒼穹』ドレスとして仕立てましょう!!!」

「だからネーミングどうにかしろってのーーッ!!」


私の絶叫をよそに、マダムはすでに次の布へと手を伸ばしていた……。




……そして、それはある日突然始まった。


昨日まで普通に食べられていた果物を口に入れた瞬間、トイレへ駆け込む。


「ヴぇぇぇぇぇえええっっっ!!!!」


何も食べてなくても、匂いだけで胃がひっくり返る。

湯船に浮かんだ花の香りで浴室にぶちまけ、歯を磨いただけで洗面台を汚し、とうとう侍女に妊娠を伝えざるを得なくなった。


噂には聞いていたけど……本当にここまで吐くのか!?ってくらい吐く。

もう胃の中が空っぽなのに、それでも吐けるんだから恐ろしい。


吐き悪阻で心身ともにボロボロ。

部屋の外に出れば、香水や料理の匂いで即ノックアウト。

結局一日中、自室から出られない。


「うぅ……ワンワン、ごめぇん……」

「大丈夫。俺が散歩に連れて行くから」


そう言ってワンワンを連れ出すエドの背中を見送る。

ブックマーク、☆☆☆☆☆、リアクション

よろしくお願いします( *・ㅅ・)*_ _))ペコ


※本作には、この物語の前段階にあたるお話しがあります。

ご興味のある方はそちらもご覧いただけると嬉しいです。

https://book1.adouzi.eu.org/s6427j/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ