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第9話

風邪を引きました。油断して薄着で寝たら酷い目にあいました。季節の変わり目は体調が崩れやすいですよね。皆さんもお気を付けください。栄養ドリンクでも飲んで寝ます。お休みなさい。

 胸バクバク、ドキドキ中のグランドロスさんの嫁エリーナです。

 中央の、でっかい台座にグランドロスさんがいます。

 その横に私、腕の中にランドがいます。

 絶賛注目されています。視線が痛いです。


「こちらにいる、エリーナ様が神獣様の伴侶です。腕の中に、いらっしゃるのが次代様です」


 注目されるのには、慣れていませんので冷や汗が流れて行きます。

 そんなに珍しい?

 普通の人ですよ私。元貴族でしたが、前世の記憶が勝ってます。

 今では立派(笑)な一般人です。


「エリーナは私の嫁だ。皆も宜しく頼む」


 グランドロスさんが、紹介してくれましたので私も名乗ります。


「グランドロスさんの、お嫁さんにしてもらいましたエリーナです。よ、よろしくお願いします」


「喋った!」


「本当に人なのか?」


「化けてないか?」


とひそひそ声が聞こえます。どうせなら、私のいない所で話してください。全部聞こえてます。横を見るとグランドロスさんの様子がおかしい?怒ってる?


「僕、ランドだよ。ママ大好き!」


 緊張していた私に、ランドがスリスリしてくれました。

 癒されるー!


「……本当に人族だ!耳障りなお喋りを止めろ!帰らせてもらう!」


 瞬時に腰ブラーンされた私は、ランドを腕の中にしっかり抱きしめてましたので落とさなくてすみました。

 グランドロスさん!ちょっとだけ怖かったです。

 空へと続く扉を、グランドロスさんが頭で乱暴に開けて家に向かって飛び出しました。


「神獣様あああああーっ!!」


 神官長様の、叫び声が遠くに聞こえました。

 ごめんなさい。私にはどうにもできません。

 お菓子ご馳走様でした。神官長に、手を振ったの見えたかな?


 私達が飛び去った後、神官長の怒りの叱咤が始まったそうです。

 後で聞いた私は、人の話は、真面目に聞かないと酷い目に合うのですね。

 ご愁傷様と、遠くから手を合わせました。



 ********************************




 神官長の説教と、神獣様との付き合い方初期編



「貴方がたは、一体何を考えているのですか!最初に私は言いましたよね!神獣様に失礼な事をしないでくれと!」


 あれ程気を付けてください!と念を押したのに王族でありながら馬鹿ですか!

 私の、心遣いを不意にされるとは!



「……つい、口が……」


 何がついですか!

 思いっ切り伴侶様を見下していましたね!

 私のブラックリストに載せてもらいます。

 神獣様の、加護が貰えなくても知りませんよ!

 今までの例を見ても、神獣様の伴侶様に何かをすれば天罰が下ったと、神殿紙に記載されてます。



「言い訳は要りません!神獣様は、伴侶様を大事にしています。これは同じ種族でも違う種族でも一緒です!」


 頭が痛い!これで神獣様のスケジュールが変更になるのは間違いない。

 前から言っているが、神獣様に不快な気持ちにさせた国は碌なことが無いのですよ!今までの経験で、分かっている筈なんです。

 それなのに……この始末!私が怒りで倒れそうです。



「信じられなくて……その」


 王になって、日が浅いのは分かりますが、一体何を勉強なさったのですか?

 あれ程各国に、神獣様取り扱い指南書と言う本を、神殿から王家に渡したんですよ。


「伴侶様を貶めれば、加護を頂いている私達が、神獣様に異論を唱えたのと同じなのですよ!」


 神獣様の、機嫌を損なった貴方達に天罰がくだらないこと祈ってます。

 多分、無駄でしょうが。


「余りにも普通なのに驚いて……美しくもない者に、神獣様が本気とは思っていなかったのです」


 今の言葉を、神獣様に聴かせなくて良かったです。

 もし、耳に入ったとしたらこの神殿ごと消滅していたかもしれません!

 あの記載を見れば、こんなに大人しくしている暇など無いと言うのに!


「各国の王に言います。神獣様の怒りに触れました。しばらく加護を貰えないと心しなさい!!」


 息が切れそうですが、言い切りました。これから、神獣様の説得に行かなければなりません


「そんな!加護をして貰えないと言うのですか!」


「困ります!何とか神獣様にお願いして貰えませんか!!」


「謝ります。どうかお願いします!!」


 それぞれの国が口々にお願いをして来ました。全部聞いている暇など皆無です。

 が、このままでは国が混乱します。

 仕方ありません!

 神獣様の、伴侶様に贈るプレゼントで手を打ちましょう。


「神獣様の伴侶様に、プレゼントを各国にお願いします。それが、神獣様の気持ちを沈める事に繋がるでしょう。伴侶様の気に入った順に加護をして貰えると私は思います」


 でまかせですが、プレゼントに悩んでいた神獣様には効果があるかも知れません。


「分かりました!!ありがとうございます」


「急いで帰って珍しい物を探すぞ!」


「負けられない!絶対伴侶様に凄いと言わせて見せる!」


「くっ!我が国も負けるものか!城に戻る!」


 各国の王が、側近と共に神殿から帰って行きます。

 伴侶様の、プレゼントに悩んでいた神獣様なら、この案で機嫌を直してくれるのでは。と王達には言いましたが。

 しかしながら、シャンデリア国の事を忘れた訳ではないでしょうね。

 明日は我が身とならない事を、各国の王はしっかり胸に刻んで欲しいですね。



 ********************************



 グランドロス


 神殿の神官長に説得に応じ、嫁を連れて行ったが嫁に失礼な態度を各国の王にされて御怒りです。ランド誕生を手伝ったエリーナと生まれた我が子が可愛い。態度では分かり難いが、今では嫁ラブ子ラブの雄。


 エリーナ


 どうして、腰ブラーンでそのまま家に帰ったのかイマイチ分かって居ない。緊張するから帰れて嬉しいと思ってる。本人は、緊張し過ぎて人の顔も覚えて居ない。周りの人達に関心の寄せていないので、どうでも良いと考えている。覚えているのはお菓子を食べそこなったのと神官長気の毒〜だと思うだけ。


 神官長


 説得して渋々ながらも、来てくれた伴侶様と次代様に失礼な態度を取られ絶賛御怒り中。唯では済まさない。と息巻いている。とりあえず、神獣様のお悩みの伴侶様のプレゼントで怒りを治めて貰おうと画策中。もちろん、それだけで許すつもりは無い。


 ランド


 人が沢山いたよね〜。

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