第6話
神殿での用事も、済みましたのでお家に帰ります。また、檻籠(鳥籠)に乗って帰りました。
何回乗っても慣れません。今度は、前世で良く子供が入って遊んでる、空気で膨らました物の中で、ポヨンポヨンしながら旅をしたら面白そうです。
「わあ、やっと着いた!お家が一番いいわ」
「おうち、おうち、ルンルン」
ふふ、何でも楽しそうに歌にするランドは可愛いです。
ガチョウじゃないけどお尻フリフリダンスを踊る。本当に、プリンプリンと揺らしてる姿は笑いを誘いますね。
「お詫びの品を、神殿から貰ったぞ」
包みを開くと、お菓子の詰め合わせです。
値段の高そうです。貴族時代も見かけなかった高級品の様です。
あ!この紋章は王家(他国の含む)しか販売しない、御用達高級菓子店のお菓子です。
「1度食べてみたかったお菓子です。美味しそう!」
ここで、食べられるとは思わなかったわ。1度機会があったけれど、元婚約者が全部私の分まで食べて悔しい思いをしたわね。
「そうか、迷惑をかけたと気にしていたからな。神官長も喜ぶだろう」
神官様の所為ではないのに。得したわ。食べたかったお菓子♫
「ランド、一緒に食べましょうね」
「はーいママ!」
美味しいお菓子を3人で堪能しました。
でも、小さいのでグランドロスさんは味分かったのかな?
聞きたいけど聞けない。
「ランド、精霊達と遊んでもらえ。エリーナ話がある」
グランドロスさんがそう言うと、綺麗な色の玉がランドの周りをぐるぐる回り追いかけっこを始めた。
「エリーナ、今日あった人族の国は滅びる」
「え?シャンデリア国が!どうして!」
グランドロスさんが、悲しそうな顔をしてる様に感じます。彼らが悪いのはわかりますが、他の人まで巻き込まれるとは可哀想です。
「彼等は、神獣である俺を否定した。獣だと、自分達が上だと勘違いしている」
神殿では、神獣は神の代わりに贈られた使徒。
それを否定すれば、神を否定したと同義。
彼等は、本当に分かっていたの?
王族でありながら厄災を引き込むなんて!
他の人達も巻き込まれるわ!
「彼等を除く、他の人達を救う事はできますか?」
全員が、悪い訳ではない。助ける事ができるの?グランドロスさんの言葉に偽りはない。
「方法はひとつだけだ。王家の入れ替えだ。シャンデリア国の血を引く、他国の王子を王にするしか滅びを止められない」
「他国の王子が来てくれるでしょうか?」
重い使命を、間違った血族に、死を与えるための王に成って貰える?
「神殿からの、要請ならば聞いて貰えるだろう。だが、表向きは神獣の伴侶の願いとなる。それでも助けるのか?」
私が願った所為で、シャンデリア王家の人達が命を失う?
何もしなければ国中の人が酷い目にあう。
どっちを選んでも後悔はするわ。
でも、罪のない人達は巻き込めない。
どうせもう私は、人の世界で生きようとは思わない。
グランドロスさんと、ランドが側にいてくれればそれでいいわ。
「はい、罪のない人達は助けたいです。お願いします」
頭を下げてお願いしました。
「エリーナは優しすぎだ。俺がずっと守ってやる。安心しろ」
優しい言葉を聞いて、また涙が零れます。
優しく、羽で抱きしめられて、ふわふわの感触に癒されて幸せなんだと思います。
「パパ!ママいじめちゃダメ!!」
ランドのキックが、グランドロスさんの背中の炸裂しました。
「……」
痛いのに我慢してます。流石父親です。
「ランド、ありがとう。でもパパにはいじめられてないの。嬉しい時も涙が出るのよ」
「嬉しい時でも出るの?ランドも出るかな〜?」
私の腕の中で、呑気な声で訪ねるランドに癒されながら幸せな時間を過ごしています。
「そうね、いつかね」
グランドロスさんの、羽に包まれながら今日も幸せな夢を見ながら眠れそうです。
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滅びを止める方法はひとつ。
基本は、言霊を放った本人の命。王族である為、今回は男性血族全員の命。拒否した場合国単位で滅びる。今回は、エリーナが罪のない人達を助ける為に表向き、神獣の伴侶であるエリーナを無実の罪に陥れた罰を望んだ事の成っている。王族が、神の怒りを買い滅びを招いたと民衆に知られないようにする事で、代替わりの王族が国を治めやすくする為。但し、王族(他国も含む)には神殿から真実が教えられている。
今度の場合は王族だった為、国単位での報復が発動しました。その為に血の入れ替えしなければいけなくなりました。
グランドロスさんは神獣で、神からの御使です。神から、厄介ごとに巻き込まない事を前提にして仕事をしています。
神獣に与えられている神の加護は強い物で、危害を加えようと考えただけでも天罰の対象になります。
例外もありますが、それはグランドロスさんが不快に思うか愉快に思うかの有無が、発動条件に組み込まれています。




