第4話
不定期更新です。
楽しい毎日を送っています。ランドが少し浮き上がれるようになりました。
「ママ〜!飛べたよ〜」
私の膝上くらいまで飛べました。パタパタ、羽を動かすランド姿に癒されます。
「凄〜い!ランド偉いわね」
私は厳しい家庭教師に教えてもらって辛かったので、褒めて伸ばそうと思いました。ランドが、褒められて嬉しそうにしてます。
ニッコニコの姿を見て、こちらが嬉しくなります。
「うん!頑張る!」
素直な子の育ってる様です。ペタペタと歩く姿が可愛いですね。
私も、親バカになりました。うちの子可愛いです。
「帰ったぞ〜!今日はこれだ!」
相変わらず、グランドロスさんのお土産勝負が続いています。貰えれば何でも嬉しいですが、雄としてのこだわりがあるみたいですね。女の私には分かりませんが雄は大変なんですね。
前世私の知ってる鳥は、美しい姿で雌の気を引きプロポーズする鳥に、巣の飾り付けで青い色の物を飾る鳥とか、綺麗な鳴き声勝負する鳥に、餌の貢物をせっせとする鳥とかがいましたが、人の世界も大変ですが鳥の世界も変わらず雄は大変なんだと思いました。
蜘蛛みたいに、子供の為に雌の餌のになるのよりはマシだと思いますけどね。
「わあーっ!綺麗なお花です!嬉しい!」
キラキラ光ってます。珍しい花です。宝石が花になってる。
これでも生きてる花ですよ〜。宝石が簡単取れれば前世だったら泥棒が根こそぎ取っていきそうですよね。
でも、無理だそうです。精霊さんの許可がないと、もらえない物でした。無理に取ると、干からびて干物になるそうです。
「きゃはは!パパ〜!バッチリ!」
ランドも喜んでくれてます。お部屋に飾りましょう。枯れないし、薬にもなると言う万能宝石でした。
異世界ポーションの幻の物だそうです。こっそり教えてもらいました。
「ランド、お風呂に入りましょうね」
「はーいママ!」
ランドと入るお風呂は楽しいです。おもちゃのアヒルを思い出します。お風呂にぷかぷか浮いてるアレです。
そっくりです。ランドの頭にも帽子を被せたいですよー!お風呂の中で泳いでるランドを見るとほっとして1日の疲れが取れます。
「エリーナ、明日は西の神殿に行くぞ!」
神殿に、私とランドを連れて来てくださいと、神官長に頼まれたそうです。何時も色々な物を貰ってますからお礼も言わないとダメですね。快適生活の要の人達です。ありがとうを忘れません。
「はい、グランドロスさん」
寝坊しない様にしとかないとダメだわ。今日も、グランドロスさんのふかふかの羽布団に包まれて、ランドと一緒にお眠です。
「おはよう、エリーナ、ランド」
毎日ぐっすり眠れます。天然の羽布団は最高ですね。
「おはようございます。グランドロスさん」
「おはようパパ!」
「おはよう、ランド今日も可愛いわ」
抱っこして、顔を寄せて頬ずりしてます。う〜んふわふわ!
「きゃはは!おはようママ!」
「朝食後に出発だ」
ご飯を食べたら直ぐ出発みたいです。私が王都にいた頃は、信者専用教会で祈りを捧げます。お布施も同じです。神殿は、神官専用の施設で神官の養成所みたいな所だと貴族だった時に聞きました。入った事がないので興味深々です。
「「はーい!」」
くすくす笑いながらランドと一緒にお返事です。でも、私もランドも飛べないのにどうやって行くのか聞くのを忘れてました。
「え?これに乗るんですか?」
「僕も?乗るのママ?」
中に椅子の付いた鳥籠です。鉄格子の監獄に似てます。あの、カナリヤとか、オカメインコとかが入ってた。椅子には落ちない様に命綱が付いてます。
中に入って鍵を閉めると何となく悲しい気持ちになります。
「早く椅子に座って命綱を持ってろ」
グランドロスさんが、私達の籠を運んでくれてます。一気に空の上に行きました。雲の切れ間から下の景色が見え綺麗です。
「ほら、ランド。 景色が綺麗に見えるわよ」
高い場所から見る景色は違って見えますね。
「ママ、綺麗だね」
初めは見えていた景色が、スピードが上がって見えにくくなり神殿に昼前には着きました。グランドロスさん専用の下り場所で沢山の人が待ってます。
「もう着いたわ。パパ速いわね」
「うん、パパはやーい!」
ランドに、そう言われてグランドロスさんも気分がいいみたいです。向こうから神官様がやって来ます。
「神獣様、伴侶様、次代様、お待ちしておりました。此方にどうぞ」
大きい扉は、グランドロスさんが入れる様に作られたのですね。扉を開けるのが大変そうです。
中は私が座れるソファと、テーブルの上にお茶が置いてあります。
「神獣、そちらに神水を用意させてます。どうぞお飲みください」
喉が、渇いてたグランドロスさんはがぶ飲みしてます。
「伴侶様、次代様、そちらに果物とお菓子お茶など用意してあります。どうぞお召し上がりください」
色とりどりのお菓子、美味しそうな果物。楽しめそうです。
「ありがとうございます。ランド、一緒に頂きましょうね」
「うん、果物食べたい」
珍しいそうな果物に、釘付けのランドです。お茶を飲んでいると、外が騒がしい様です。大きな声が聞こえて来ます。数人の男達が入って来ました。
「神獣様!ご無礼お許しください!どうか我が国に加護をお願いします!」
私が知っている人達でした。2度と会いたくないと思っていたのに!
故郷の、世嗣ぎの王子殿下と取り巻き達でした。その中に、私の兄と元婚約者もいます。気分は最悪になりました。




