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第25話グランドロスさんの知るマアナ姉の事実

明けましておめでとうございます。旧年中はお付き合いくださりありがとうございました。不定期更新ですが完結まで頑張りますので宜しかったらお付き合いください。25話はグランドロスさん視点での話とお正月小話です。

復活できそうもないマアナ姉を置いて俺たちは家に帰ることにした。神官長とエリーナとランドを籠に乗せてまず先に神殿に籠を下ろした。


「神官長世話になった。後のことは気にせずにゆっくり身体を休めてくれ」


「はい、ありがとうございます。役に立てずに申し訳ありません」


「謝る必要はないぞ、こちらの方が迷惑を掛けた。見舞いの品を後で持って来よう」


「いいえ!神獣様!気になさらないでください。伴侶様もお世話になりました」


神官長は人間にしてはいい奴だ。病気に効く薬草でも持って来よう。


「神官長様、風邪引かないようにね」


神殿が見えなくなるとエリーナが話しかけてきた。


「ねえ、グランドロスさん!マアナさんの旦那様今どこにいるの?」


聞かれた俺はあの日から時間が結構過ぎたんだなと思った。マアナ姉の相手、友達だったアシーナルの話をエリーナに聞かせた。


叔父さんが手がかかり、しょうがなく祖父さんが神獣として異世界で仕事をして、父親が長をしていた時に俺の友達のアシーナルがマアナ姉にガンガン攻め(好きよー!攻撃)られていた。


本当は祖父さんが長をするのが本当だが、叔父さんの扱いが下手でどうにもならなく上の息子(俺の父親)に丸投げした。


「アシーナル〜!私と結婚して!好きなの!」


「え?無理!俺には無理だ!」


「私より可愛い子いないわ!1番だもの!」


マアナ姉、1番はマルシェだと思う。凶暴過ぎる性格に引かれているぞ。


「1番なら、俺よりもいい奴と一緒になれよ!おい!グランドロス助けてくれ!」


アシーナルは好きな子はいないが、前に聞いた理想の嫁とかけ離れたマアナ姉では無理だな。


「マアナ姉は言ったら聞かないからな〜」


毎日追い回されたアシーナルは、いつの間にか1カ月ほど姿が見えなくなっていた。マアナ姉が探していたが見つける事が出来なかった。ボロボロになったアシーナルの姿を見たのは長である父親の前だった。


「長、俺は神獣山脈に行って来た。対価を払って別の世界に渡る許可を神様にもらった」


「アシーナル!本当なのか!」


アシーナルに詰め寄って聞くと頷いた。


「グランドロス……俺、無理なんだ。好きでもないマアナと一緒にはなれない。でも、俺が側にいたら諦めてくれないだろう?」


辛そうに言ってくるアシーナルに俺は何も言えなくなった。追い詰められてたのか!ごめん俺はそこまでだったとは気が付かなかった。


「神様との制約ならどうしようもない。アシーナル、神獣山脈で君を亡くなった事にする。いいな」


「はい。長…すみませんが後の事はお願いします。グランドロス、頼んだよ」


そう言って、アシーナルはこの世界を後にした。亡くなった事を知ったマアナ姉が泣いていたのは知っていたが、前に泣いた時より酷い。


「え〜、そんな事あったんだ。グランドロスさんのお友達、幸せになっているといいわね」


「それにしても、マアナ姉があんなに泣くとは思わなかった。涙で、エリーナもランドも神官長もずぶ濡れになってたな」


あいつが死んだと教えた時以来だな。しょうがない、マアナ姉の事をあいつは好きでなかった。押しかけて嫁にして!と迫られて死にそうになり、このままじゃ本当に死ぬ!死んだ方がましだ!とまで言ったあいつが、神獣山脈に行き神様に願いを言った。この世界に2度と戻らない誓いを対価にして。


理由を話して、この世界にを後にしたあいつを死んだ事にした。別の世界に行ったことは内緒だ。だが、神獣山脈に行く勇気があるなら、マアナ姉を退ける方が簡単だと俺は思うが違うのか?


「ランドは一族だから変化なしだが、人族は肌が綺麗になると聞いていたが本当だな」


「そうなの?濡れ損にならなくてお得?だね」


迷惑かけられているんだ。エリーナが病気にならなくなった事は喜んでいいだろう。涙の本当の効能は言わなくても問題ない。


********************************


お正月小話


「グランドロスさん!お餅ありがとう!今から焼くね」


神殿に頼んでわざわざ取り寄せてくれた。嬉しい!グランドロスさん大きいから、鏡餅並みに大きい物を焼いてあげよう!


「ああ、待ってる」


「もっち〜もっち〜もちもち〜!楽しみ〜ママ」


グランドロスさんに拾われ得したわ!お餅が食べれるなんて生まれたとこにはお餅は無かった。きな粉も小豆も用意してあった。今日は1年の始まり前世だったらお雑煮だけど、ぜんざいを作るわ。きな粉餅も!


「るんるん♫出来た!はい!どうぞ!」


グランドロスさんとランドにぜんざいを渡した。もちろん、グランドロスさんの器はバケツ並みの大きさです。


「ママ〜おいしいよ〜のびのび〜びょ〜ん」


伸びるお餅に興味深々なランドは楽しみながら食べている。横を見たらグランドロスさんが白目になっていた!


「キャアアアアアアーッ!グランドロスさん!!ランド大変!!」


お餅を喉に詰まらせていた、ランドが口の中からお餅を取ってくれた。グランドロスさん!危ないからお餅の丸呑みはしないでください!


「ママ〜取れたよ〜。パパ〜ダメダメだね〜」


年の初めにランドに笑われ落ち込んだグランドロスさんでした。



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