表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/26

第22話

風邪ぎみなのでもう寝ます。おやすみなさい。

お父さんから通信が来て、フラオルのお姉さんがやばいそうです。一家総出で止めているのですが言う事を聞かないと困ってました。止めるのを手伝ってくれ、とグランドロスさんも実家に呼ばれたそうです。


「グランドロスさん、フラオルさんのお姉さん大丈夫なんですか?」


「神獣山脈は神様に1番近い場所と言われている。願いが正当な場合だけ叶えてもらえるが対価も大きい」


そうですね、神様と言えどただでは叶えてくれませんよね。


「フラオルさんのお姉さんの旦那様亡くなっているんですか?」


好きな人にもう一度会いたいと言う気持ちは分かります。


「そうだ。だが俺は、神官長がマアナ姉の旦那の生まれ変わりだとは思ってないぞ」


転生してる私が居ますから、生まれ変わりは信じられます。でも、あの神官長様が元神獣……本当かな?


「記憶が無ければ別人になりますよ。神官長様、もの凄く良い人ですから幸せになってもらいたいです」


記憶が無ければ生まれ変わりだろうと、新しい人生ですからね。両親に、兄妹、親族、親愛の情があれば、今生きている人との繋がりを大切にするのが1番です。心を壊してはいけないと思います。


「今から、実家に神官長も連れて皆で行くぞ!」


皆で、ですか?籠を神官長様も乗れるように作り変えてから、神殿に行くそうです。気の毒ですね、初籠ですね神官長様。絶句してる姿が目に浮かびます。でも、記憶があったら違和感なくて良いですけど、人違いだったら目も当てられませんよね。


「私もですか?行っても役には立ちませんよ」


グランドロスさん、お留守番でもいいですよ。


「置いて行けるか!フラオルが隣にいるんだぞ!心配になる」


グランドロスさん、ちょっと恥ずかしいです。私、愛されてます。心配してもらえるのは嬉しいですよ。


「えーと、グランドロスさん心配してもらって嬉しいです」


「当たり前だ!俺の嫁だ。誰にもやらない!」


そう言って両羽で抱きしめられました。天然羽毛布団に包まれて幸せです。


「ママと仲良し〜、僕もパパ〜」


ランドが飛び付いて来ました。幸せ家族です。


「籠の改造も終わった。今から出発だ!」


部屋型籠に入って吃驚です。部屋の中に檻があります。前世で馴染み深い鳥かごです。映画やドラマにアニメでカナリヤとかオカメインコが入っている円柱形のあの鳥かごが部屋の中に作ってありました。もちろん、人族サイズでした。神官長様ごめんなさい。鳥(神獣)さんの感性は、人族には理解できない時もあるんです。


「グランドロスさんこれ!なんですか?」


私の勘違いならいいですが、いかにも囚人が入ってる。と思う物ですよ。


「神官長の為に作った。エリーナと一緒はダメだからだぞ!」


やっぱり神官長様専用でした。この世界の偉い人に見られたら、不味い物だと思ってしまいます。


「そ、そうですか、分かりました」


グランドロスの嫁ですから、多少の不便は見ない事にします。と言っても私が不便な訳ではないですけどね。他の人から見たら、私薄情ですね。ですが、1度人族には裏切られてますから。

まあ、神官長様は良い人だと思ってますよ。でも、私にとって優先すべきはグランドロスさんなので、神官長様すみません。


「着いたぞ。今の時間は、ベルを鳴らしたら神殿の騎士か従者が出てくるから、籠の外には出ないでくれ」


「はい、グランドロスさん」


「パパ〜OKだよね〜」


今は言葉遊びをしているランドです。何でも真似します。人族専用ドアの開く音が聞こえました。誰か来たようですね。


「神獣様、何かご用でしょうか?」


窓から覗くと従者の方でした。


「神官長を呼んで来てくれ。大事な話がある」


グランドロスさんにお辞儀をした後、素早く神官長様を呼びに行ってくれました。待ってる間に部屋の中にある果物を食べ食べ時間を潰してますよ。ランドもご機嫌果物を食べてます。


「神獣様、お呼びでしょうか?何か人族の不備でも見つかりましたか?」


神官長様、前に不敬な人達を見てますので心配しています。下手をすれば、国など消し炭のように消えてしまいますものね。


「神官長、このまま直ぐに俺の故郷に着いて来てくれ!マアナ姉が暴走している!止められるのは神官長だけだ!」


困ってます。困ってますよ!神官長様。気の毒に、フラオルのお姉さんに、生まれ変わりと信じられて巻き込まれました。大変ですね神官長様。


「はい?直ぐですか?いいえ、間違いですよ。私が神獣様の生まれ変わりではないと思います」


記憶がないですから、そうなりますよね。


「それは、どうでもいい!兎に角行くから籠に乗ってくれ!」


生まれ変わりについてはスルーされた神官長様です。グランドロスさんに言われて素直に乗って来ました。籠の中の鳥かごを見た神官長様の呆然とした姿は可哀想でした。


**********************************


グランドロス


マアナ姉を止める為に神官長を籠の中の檻に入れた。


エリーナ


神官長様を心底可哀想と同情。でも、何もしない。グランドロスさん優先。



神官長


突然、神殿に来た神獣様に拉致される。エリーナ達と同じ籠の中と思って緊張していたが、実は籠の中の檻(鳥かご)に呆然。


マアナ姉


親族全員で説得中、だが、諦める気なしで、グランドロスが呼ばれた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ