第20話
眠いです。今から寝ます、おやすみなさい。
神殿でグランドロスさんがお説教をフラオルさんにしています。神獣が守護していない世界で自由に振舞うのは基本的には禁止されているそうです。それを破りこの世界の王都を騒がしているフラオルさんに神獣世界の常識を繰り返し教えています。
「フラオル!勝手に世界を渡って来るのは禁止されている。それを特別に許してもらって俺の巣の隣に巣を構えた!大人しく巣のある森から出るな!」
常識破りですか〜。フラオルさんの頭の中は何が詰まってるんですか?スポンジじゃあない事を祈ります。
「グランドロスが悪い!エリーナを連れて行って姿が見えないぞ!」
フラオルさんの物ではないですよ。ジーッと見るのは止してくださいね。私をジーッと見ていいのは、グランドロスさんとランドだけです。言い合いが中々終わりません。
「伴侶様、あの神獣様は何方でしょうか?」
神官長様、傍迷惑の原因を知りたいのは当然ですよね。
「グランドロスさんの一族で従兄弟になります」
「え⁉︎ ………し、神獣様の従兄弟!!」
神官長様驚いてますね〜。神獣様がいっぱい居たら怖いと感じそうです。周りとの調整が難しくなると考えてそうです。
「加護を、この世界に与える仕事はグランドロスさんの直系一族が担ってます。神様にお願いされてここに来ていると聞きました」
神様に派遣された一族です。ただ、規格外の従兄弟に振り回されて居るだけですが。
「神獣様も大変なんですね。私にできる事なら何でも言ってください」
神官長様は優しいですね、これだけ迷惑を掛けられても、真摯な態度を崩さないのですから。
「ありがとうございます。グランドロスさんも喜びます」
「ママ〜、パパとフラオルさんの話長いね〜」
ランドが退屈してます。そろそろ、身にならない話はやめた方がいいですよ。見ていてもフラオルさん、ちっとも聞いてませんから。ここに来られたら家(巣)に居るのと変わりません。帰りましょう。
「グランドロスさ〜ん!お家(巣)に帰りましょう!ここに居ても煩いですよ〜」
防音機能を、精霊さんに作ってもらってください。ここで、言うとフラオルが拗ねますから言いませんが後で相談しましょうね。
「神官長様、お世話になりました。家(巣)に帰ります」
「バイバーイ!」
ランドも家(巣)が気に入ってますから帰るのに賛成です。
「分かった、籠に乗ってくれ!フラオル迷惑を掛けずに帰れよ」
グランドロスさんとランドと家(巣)に帰ります。我が家が1番安心しますね。もちろん!帰ったらグランドロスさんにお願いして精霊さんに防音機能を付けてもらいました。そうとは知らないフラオルさんが何か言ってますが、適当に手を振って誤魔化します。平和ですよね〜。雑音が聞こえないと。
***********************************
グランドロスさん達が帰った後神官長様(神官長様の心情)と王都の使者の話。
「神官長様、陛下が王都の上空を飛んだ物の正体を知りたいと、私に命じられました」
言えません!神獣様の従兄弟だとは!加護を受ける事ができると勘違いされる可能性があります。
「神獣様に頼んで森に連れて行ってもらいました。あの者は神獣様に似てますが加護はできませんよ」
変な考えで近付くと酷い目にあいますよ。
「それは本当ですか?嘘を言っていませんね」
嘘など私が言う訳がない。馬鹿にしないで頂きたい!利用したい王家とは違います。
「はい、神獣様に誓って嘘など言いません!」
神獣様は神の使いですよ。道に誤る事などできません。
「分かりました。陛下にはそう、お伝えします」
随分失礼な事を言われましたが、私は潔白ですからなんの心配もしていません。伴侶様のお陰で色々してもらっていますから。心優しい伴侶様で助かりました。
************************************
グランドロス
説教を一生懸命していたが、話に夢中でフラオルさんが聞いてないのに気がついてない。エリーナの名案(防音機能)に静かに暮らせると喜ぶ。
エリーナ
いい加減諦めればいいのにと思っている。家(巣)に防音機能を付けてもらい静かに暮らしている。フラオルが何か言っているが手を振って誤魔化している。話の内容に興味なし。
ランド
フラオルさんも来たけど遊んでくれないな〜と思っている。家(巣)が1番居心地いい。
神官長
王都の事件で疑われたが、神獣様への信仰心は薄れることなくもっと深くなっている。真実が神獣様の従兄弟と知ったが、暴露るまで黙って居ようと思ってる。神獣様の説教に何処吹く風の神獣様に似た(フラオル)者の態度に呆れる。グランドロスと伴侶のエリーナには真摯な態度を崩さない。未だに目的(なぜ、王都で叫んでいたか)は何か知りたいと密かに思っている。
フラオル
一応エリーナの姿を見て満足。グランドロスさんの話は総無視。




