第18話
気分転換にハリポタに行って来ました。3Dは怖くないですが、その前に乗った現実の風景が見える物の方が怖かったです。現実世界は容赦ないですよね。
突然ですが、家の横にお隣さんが出来ました。フラオルさんが精霊さんと新しい家を作ったんです。グランドロスさんは嫌がりましたが、お父さんとお母さんに説得されて渋々建てることを許しました。本当は少し場所を空けるのが常識だそうですが、フラオルは玄関から数センチも離れていない場所に家を建てたんです。
「グラン、家の中に押しかけて来られるよりはマシなはずよ」
お母さんのグランドロスさんを慰めてます。どっちも遠慮したいのですが。
「そうだ、あの一家はしつこいので有名だ。お前も知ってるだろう。無理に取り上げるととんでもない事をされるぞ」
どうも、フラオルさん一家は前科がありまくりのようですね。なるべく穏便に済ませたいです。執着してるのが私なのが信じられませんが。
「うっ!それは困る。エリーナを連れ去られでもしたら目も当てられない」
拐われるの前提ですか?そんなに凄いのですか?フラオルさん一家!
「グラン、多少は我慢しないといけないわ。酷い未来にならない為の準備だけはしておかないと」
お母さんも心配しています。グランドロスさんも渋い顔で思案中です。
「えーと、そんなに危険なんですか?フラオルさん一家」
気になるので聞いてみました。3人の顔がなんとも言えない顔になってます。
「気にしなくていい。関わると碌な目に合わない」
お父さんも関わりあいになりたくなさそうです。
「そ、そうですか。分かりました」
触らぬ神に祟りなしですね。
「エリーナにも迷惑かけるな」
グランドロスが謝ってきます。ある意味被害者の1人だと思いますので気にしないでください。
「グランドロスさん大変ですね」
私を常時守る仕事が追加されてます。今迄より達が悪いストーカーが誕生して心休まる日々がグランドロスさんに来るのでしょうか?
「……大変なのはエリーナだと思うが」
私には被害が来てませんので実感ないです。
「エリーナさんが余り気にしない方が助かるわ」
お母さんが安心したように言ってます。
「エリーナさんが心の広い人で良かったよ。甥と言えどあの性格は許容できないからな」
お父さんはフラオルさんの行動が相当苦手なようです。弟さんに振り回されたんですね。
「お父さん苦労したんですね」
兄弟では繋がりを切れないし大変だったんですよね。ご愁傷様です。
「グランドロスはいいお嫁さんをもらったな」
いいえ、私こそグランドロスさんのお陰で生き延びられました。
「そうよね〜。グランドロスにしては気が利いてたわね。1度目は逃げられたけれど」
お母さん、グランドロスさんの古傷を屠らないでください。落ち込んでます。
「母さん、それを言っては可哀想だよ」
お父さんがグランドロスさんを気の毒そうに見ています。横を見るとお隣に立った家(巣)は、どうもグランドロスさんが私の為に作ってくれた部屋にそっくりです。フラオルさん、神獣族のお嫁さんもらう気ないんですね。人族仕様の内装ですよ。
「エリーナ〜!見て見て!部屋を同じにしてるからいつでも遊びに来てくれ〜!」
そんな、満面の笑みで言われても来ませんよ。
「フラオルさん、私の事は気にしないでいいですよ。自分の好きな内装にしてください」
その部屋には住みませんから、絶対に。
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グランドロス
隣にフラオルが巣を作った。反対したかったが、叔父と同じ性格が発覚し危険な為に強く言えない。不幸。
エリーナ
フラオルさん一家の無謀な性格が伺えてスルーしようと考えてる。親子してフラオルさん一家に酷い目にあっているんですね。と同情。被害が自分に来なければ割と気にしない。
お父さん
フラオルさんを見て弟を思い出し自分の息子に同情。危険になる可能性を示唆し説得。エリーナの広い心に感謝。
お母さん
何気にグランドロスさんの傷を屠る。天然。フラオルさんの父親の性格を知っているのでグランドロスに助言。
フラオル
隣に巣を構える。エリーナの側に居る事ができて満足。かっこいい巣にする為に努力中。内装はグランドロスの部屋と一緒。無意識にエリーナの好みに合わせているが本人は気付いてない。タチの悪いストーカに変身。気分はルンルンで巣を要塞化してエリーナとランドを招待しようと画策。




