第15話
何とかまにあいました。
両親への挨拶も無事終わり我が家に帰って来ました。ですが両親も一緒です。結婚プレゼントに庭を作ってくれるそうです。精霊さんに力を渡し木を成長させ、巨大迷路の庭にしてくれる事になってます。
「さあ、作るわよ!ランドちゃん見ててね」
お母さんが張り切っています。ランドが声援を送ります。
「おばあちゃん!がんばって〜!」
ランドに小さな旗を持たせて応援させました。旗を振って応援する可愛いランドにお母さんが喜んでます。おばあちゃん孝行なランドです。
「どんどん地形が変化してるわ」
ランドと2人で二階の窓から見ると、家の前に木が生えてきて、道が出来たと思ったら葉の壁が出来て新しく作られている玄関の入り口から迷路が出来てます。来る人が迷うそうです。そして、よく見ていると所々に罠らしきトラップが所狭しとと設置されてます。割とえげつない罠のようです。
下にそのまま落下するものから、食虫植物の口の中に落ちるもの。触手の落とし穴(うねうねどろどろで気持ち悪い)ハサミ蟹の壁毒クモの道など多種多用です。私が見て分かるのか?と思いますよね、実は精霊さんに教えてもらってます。私やランドは迷路は通らず別の道で家に入れます。お母さんの力作の迷路です。
「ランドちゃん!エリーナさん出来たわよ〜」
お母さんのやり遂げたといい笑顔をが眩しいです。特に罠の設置を喜々として作ってましたから、楽しいのだと思いました。呼ばれたので下に行きます。
「おばあちゃん!すごいね!」
「物凄い物が出来てますね。誰も入れないと思いますよ」
あんな罠の迷路に入るバカな人がいるんですか?
「ぎゃあああああああーっ!!いつの間にいいいいーっ!!」
声が聞こえました。あの声はフラオルさんです。まさか、罠に進んで入るとは!
「聞いた事のある声がしたな」
お父さんがフラオルの声に気が付きました。
「入って来るのが悪い。ほっといたらいい」
グランドロスさんが、笑ってます。いつも勝手に家に来るのが許せなかったのですね。
「本当に来てるんだな。ここに来ないで自分の嫁を探せばいいのだが」
お父さんがフラオルを心配してます。子守のフラオルは役に立ちますが、自分の幸せを見つけた方がいいですよ。
「あら、もう侵入者?穴に落ちたのかしら?」
お母さんはフラオルが罠に掛かったとは思ってません。知らない方がいいですね。
「入ろうとするのが悪い。落ちて当然だ!母さんのトラップは最高だ」
グランドロスさんは「いい気味だ〜」と小声で言ってました。私には聞こえましたよ。
「喜んでもらえてお母さん嬉しいわ。そうね、大事な嫁と孫の家に勝手に入ってもらっては困るわ」
お母さんもグランドロスさんの意見に賛成です。
「グランドロス!あれはなんだ!!」
フラオルさんが復活して来ました。ボロボロです。壁蟹があちこちに付いてます。どろどろのネバネバも糸引いてます。
「不審者用のトラップだ。お前も不審者の1人だろう」
「違う!俺はランドとエリーナの友達だ!」
胸を張って言ったフラオルさんに、お父さんとお母さんが何とも言えない顔をしています。
「フラオル!お前は早く嫁をもらえ!そしてもう来るな!」
フラオルは、グランドロスさんから出入り禁止を言い渡されました。
「嫌だああああああーっ!ランドとエリーナに会えないなんてええええええーっ!」
泣き喚くフラオルさんに驚くお父さんとお母さん。ランドは何で泣いてるだろう?と首を傾げてます。グランドロスさんは知るか!って顔してます。フラオルさん素直に帰ってくれないかな?
**********************************
グランドロス
母親の作るトラップでフラオルを阻止出来てご機嫌。2度と家に入れたくないと思う。
エリーナ
お母さんの作る迷路に困惑。でも、グランドロスさんの機嫌が良くなったので放置。子守要員が居なくんるのは残念と思っているが、フラオルには幸せを探してほしいと思っている。
ランド
すごい迷路にわくわく。フラオルさんがどうして泣いてるのが不思議に思っている。
お父さん
前に聞いたのが事実だと分かる。フラオルが、ランドとエリーナを自分の物と無意識に思っている事が分かった。弟と同じ厄介な性格だと頭を抱える。
お母さん
精霊使いが上手い人、トラップを作りグランドロスに感謝される。嫁と孫の為に要塞化していた巣を更に、酷い物に変える。




