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家ではお兄ちゃんとすり寄ってくる妹への告白を目撃したら、小動物系の幼馴染が告白してきた件  作者: 滝藤秀一
幼馴染とのデートの仕方を妹に教ります

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妹が告白されるのを目撃してしまった

 その日、俺は初めて妹が告白されているところを見てしまった。


「ずっと前から好きでした」

「ありがとう嬉しいです。でも、ごめんなさい!」


 放課後、人気のない校舎裏。  

 そこで妹と男子生徒が向かい合っていた。  

 妹の顔には、いつも教室で見かける明るく快活な笑顔はなく、あははと乾いた笑いを浮かべて頭を下げている。


 目撃したのはたまたまだった。  

 掃除当番のゴミ出しに来て、まさか実妹の告白シーンに出くわすなんて、誰が予想出来る?


「あ、あぁあぁあき君、あき君! は、はるちゃん、告白されちゃってるよ?!」

「見ればわかる。そんなことって本当にあっ……って、おいっ! あぶねえ、ゴミ袋を振り回すな」

「わぁ、しかもあの先輩、女子の間で有名な人だよ?! たしかサッカー部の人! うわぁ、うわぁ、うわぁ!」

「いや、わかったから……」


 隣に居る幼馴染は、動揺してなのか、手に持つゴミ袋を振り回す。

 嫌な感触が足にぺしぺしと当たる。  

 確かに妹のこんなシーンを目撃して俺も動揺したが、自分以上に興奮している人を見ると返って冷静になっていた。


 もう一度妹の方に視線を移す。


「何故?! 足りない部分があるなら……」

「いまは誰とも付き合う気が――」


 妹はなおも食い下がる男子に、丁寧に断りを入れていた。

 相手に真摯に応えている姿は、傍目にも気立てのよさが見て取れる。


――けど、アイツの目元は笑ってないし、口もちょっと尖っている……頑張って頑張って猫を被ってるな……


「一橋さん、僕も言っておきたいことが」


 そんな事を考えていると、更なる闖入者(ちんにゅうしゃ)が現れた。  

 手にはどこで摘んだのだか花を一輪添えてある。

 ネクタイはきちんと結ばれ、清潔感のある身だしなみ。今度は見た目紳士的な人だった。

 妹も先ほど告白した人も、少し口を開け一度瞬きをし驚いている。


「ふぇっ?! あれってもしかして順番待ち?! す、すごい……」

「マジかよ……」


 さすがの現実離れした光景に、俺と幼馴染の思考は追いつかず呆気に取られる。

 お互い間抜けな顔を晒して頷きあった後、最後まで見届けずにその場から逃げるように退散した。

 去り際に妹がこちらに気が付き、助けを求めるような視線を向けてきた。

 

 直訳するなら、


『お兄ちゃん、知らない人に言い寄られているんだけど、た・す・け・て!』


 無理だという意味で俺は少し大げさに首を振った。


 その後、教室で鞄を取って帰路に着く。


「……」

「……」  


 気まずい空気が流れていた。  

 俺と幼馴染ということは、妹とも幼馴染ということだ。  

 昔から良く知った仲だし、家族よりも色々知っているかもしれない。

 だから、妹の告白シーン(あんなもの)を目撃してしまって、なんと言っていいかわからないでいる。  


 妹の一橋陽(ひとつばしはる)は校内では有名な美少女だ。  

 しかも同じ双子とは思えないほどに成績優秀、スポーツ万能。

 おかげで兄貴の俺には、恋の相談やらを持ちかけてくるクラスメイトもいた。


 夕暮れが俺たちの影を伸ばす。  

 この日の衝撃はまだ終わりを告げていなかった。

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