表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思い出きらきら  作者: チャーコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/42

頼りになるマユちゃん

 北欧旅行の様子は、拙作『予知姫と年下婚約者』をご覧ください。……とは言えません。軽々しく十万文字以上のお話をおすすめするわけにもいきませんね。


 私は雨女なのです。遠足や行事のときは必ず雨が降ります。今回も懸念していましたが、案の定と申しますか、嵐がきました。ダイヤの乱れに巻き込まれながら、成田空港へ。ツアーの添乗員さんが、空港内で待機するようにと言いました。


 空港内で五時間待ちです。マユちゃんとおしゃべりしていましたが、五時間も話していますと、さすがに話題がなくなってきました。


「……しりとりでもしようか?」

「そうしようか……」


 大学生二人で一時間ほどしりとりをしました。


 やっと飛行機が離陸することになりましたが、まだ嵐の影響が残っています。機内食を食べている最中、ものすごく揺れました。ハンバーグが跳ね、ジュースが倒れます。機内のあちこちから悲鳴が上がりました。私も怖くなって、隣のマユちゃんの腕にしがみつきました。


「お、落ちたらどうしよう……」


 動揺している私をよそに、マユちゃんは黙々と機内食を食べています。落ち着いた声で言い放ちました。


「落ちたら、そのときは死ぬだけ」


 マユちゃんに「おとこ」を感じました。飛行機は落ちることなく、フィンランドにたどり着き、別の飛行機に乗り換えてデンマークに到着しました。


 デンマークでは、ビールが美味しかったことと、風景の写真を撮っていると何故か通行人がやってきてうまく撮れなかったことを覚えています。アルコールが嫌いなマユちゃんは勿体ないなと思いました。


 デンマークから、大きな船に乗ってノルウェーに向かいます。船の中にエレベーターがあって驚きました。船の中にもエレベーターってあるのですね。下に降りて食堂で夕ごはんを食べるのですが、金髪碧眼の方々に混じって東洋人の大学生二人は目立ちました。食べていると視線が集中していることがわかります。黒髪黒瞳が珍しいのでしょうか。少し居心地悪く食べていたのですが、相変わらずマユちゃんはマイペースでした。


「このチーズ、見た目に騙された。チーズだと思って食べたら、キャラメルの味がしたよ」


 マユちゃんのマイペースぶりに、なんだか私も安心してチーズを食べました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ