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思い出きらきら  作者: チャーコ


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図書館勤務のこと

 一時期、図書館で働いていました。拙作『This letter, for you.』でも図書館員の仕事のことを書きましたが、重い本を抱えて配架したり、十分な知識を持ってレファレンスサービスしたりするのは、かなり大変なことでした。不意にお花の育て方の本のことを訊かれたり、歌謡曲のCDの場所を訊かれたり、最初の頃はまったく何もわからずに、先輩社員の方々にご迷惑をおかけしていました。でも、わからないことは訊いたほうがいいと言われて遠慮なく質問攻めにします。そうしているうちに、徐々に仕事のことを理解していきました。


 早番が多かったので、朝はいつも眠気との戦い。開館前の書架整理(本棚の本を綺麗に配列する)は非常に眠くなって困りました。けれど、開館前は冷房や暖房をつけてくれないので、夏はすごく暑いし、冬はとても寒いです。開館の少し前にはつけてくれるのですが、朝一でいらっしゃる利用者さんは、やっぱり暑かったり寒かったりするんだろうなと思いました。


 仕事仲間はみんな仲が良く、雰囲気もいい感じです。毎月一人五百円ずつお菓子代を出し合って、休憩中は食事だけでなくお菓子も食べていました。そうしたら、ものすごく太ってしまいました! せっかく配架作業で歩き回っているのに……と理不尽な気持ちです。仕事仲間の一人は、ダイエットしているから誘惑に負けないと、お菓子を食べないでいました。それが正しい選択だったのかもしれません。


 月に一度、月末の館内整理日に、図書館員としての勉強会もありました。有名な本の著者やあらすじについて教えてくれます。私は大学で文学のことを勉強していたにもかかわらず、知らないことが多くて恥ずかしくなりました。他にもレファレンスサービスの練習もしました。利用者さんが必要な資料などを求めた場合、その資料を検索・提供・回答することですね。練習では、ものすごくマニアックな質問をされて、資料を探すのに苦労しました。館長は優しいけれど、仕事には厳しい方です。


「ちゃんと探してその回答なの?」


 などと痛いところを突かれたときは動揺しました。洋菓子店で働いていたときもそうですが、仕事に手は抜けませんね。


 十二月二十五日にはクリスマス会が行われ、毎年サンタクロースの衣装を着る図書館員の男性の方が張り切っていました。クリスマス会前に、色のついた厚紙を星形やハート型に切り抜き、来てくれた子どもたちのためのプレゼントにします。


 クリスマス会当日は、クリスマスにちなんだ絵本の読み聞かせがあり、子どもたちが楽しんでいました。私たちが一生懸命切り抜いた星やハートのプレゼントも喜んでもらえ、手が痛くなるまで作業した甲斐がありました。クリスマス会が行われたホールでは、他にも色々なイベントが行われます。時にはヴァイオリンの演奏会もあり、なぜか館長に聴くように言われて、私もヴァイオリン演奏を聴かせていただきました。近所に住むプロ奏者さんが、自ら演奏に来てくださるというお話だったそうです。さすがプロ奏者さんで、綺麗な音色が聴けて、嬉しくなりました。あとでアンケートがあったので、丁寧に感想を書かせていただきました。


 利用者さんも公共施設だけあって様々な方がいらっしゃいまして、毎日通ってくださる方、ちょっとお酒の匂いがするかなという方、児童室で騒ぐ子どもたち、最後の子どもたちは副館長に注意されていましたね。図書館ではお静かに。


 今はもう辞めてしまいましたが、図書館の独特な空気は大好きです。一応司書の資格も持っていますので、またいつか働けたらなあと思います。


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