文学フリマ東京に参加しました ~前編~
前にこのエッセイの「同人誌を作っています」で書いた通り、先日の五月六日に文学フリマ東京に参加してきました。
コミケやコミティア、他の小説オンリーイベントに参加したことはありますが、文学フリマに参加するのは初めてです。およそ800スペースのサークルさんが参加するということで、結構大きなイベントだなと思っていました。
私は今現在地方在住ですが、生まれも育ちも東京です。一緒に参加するキッドさんは愛知県に住んでいて、なおかつ同人イベント初参加ということで、私が色々案内しないとなあと準備していました。
浜松町駅から、キッドさんを誘導してモノレール乗り場に行きます。キッドさんは電車が好きらしく、モノレールの写真を撮っていました。久しぶりにモノレールに乗りましたが、地上からかなり上を走るので、眺めがいいですね。京浜東北線などが下を走っているのが見えます。流通センターで降りて、キャリーバッグをキッドさんに持ってもらい、会場に向かいました。
会場の外には、既にサークル参加の方々がたくさん並んでいました。列の最後尾に行きましたが、それまで様々な人とすれ違います。印象的だったのは、今まで参加したイベントより年齢層が幅広く、また和装の方が多いことでした。ジャンルも色々あるので、その分だけ興味を持った人が参加しやすいイベントなのかもしれません。そんなことを考えつつ、列を進み、会場に入りました。
会場は一階と二階に分かれていて、私たちのブースは二階です。二階に上がり、スペースを探すとすぐ見つかりました。隣のサークルさんはもう来ていたので、挨拶をして私たちも設営を始めます。と言っても、キッドさんは初めてですから、私が説明しながら準備のお手伝いをお願いしました。
「ええと、このA3のポスターを二枚机に貼って……」
「こう貼ったほうが目立つよね?」
ちょっとお願いしただけなのに、キッドさんは自分で目立つ方法を思いついてくれます。見本誌の提出も、フリーペーパーを置くのも、少し頼んだだけでキッドさんはサクっとこなしてしまうので、とても助かりました。フリーペーパーに、イラストを描いてくださった、あっきコタロウさんのツイッターアドレスも書き込んでいました。キッドさんは気が利くなあ、私はあまり気が利かないから……と、ふと自分を省みてみたり。気の利く人ってすごいなあと改めて思いました。
設営が終わって開場になります。私が先に欲しい本を買いに行けることになったので、あらかじめ取り置きを頼んでいたサークルさんを回りました。それから、知り合い作家さんの、私派ぼくらさんのブースに行きました。
「初めまして、チャーコです」
挨拶をすると、緑色の髪の毛をした私派ぼくらさんは礼儀正しく挨拶を返してくれました。新刊の『とてもたくさんの死骸があります』を買わせていただきましたので、これからじっくり読もうと思っています。私派ぼくらさんは純文学の実力派作家さんなので、内容に期待しています。
自分のブースに戻ると、キッドさんが報告してくれました。
「東野さんって方が、新刊を買っていってくれたよ」
「えっ、東野さんが来たの!?」
東野あかりさんは、もしかしたら来るかもしれないということを、前々から伝えていてくれていました。なろうやツイッターでやり取りはしていますが、お会いしたことがないので、ぜひとも会いたい! 届くかわからないながらも東野さんにツイートしました。
やがて、東野さんが再びブースに来てくださいました。最初は東野さんだとわからずに無料配布を渡してしまったのですが、彼女のほうから挨拶してくれて、私は出会えて大喜びです。東野さんはすらりとしたお綺麗な方で、少しはしゃいだお話をすることができました。東野さんも文フリは初めてとのこと。おいでいただき、お菓子もいただき、ありがとうございました。
無料配布『砂糖の檻』の本を通りがかった方々に配ります。ピンクの表紙で可愛らしいので、女性の方が主にもらってくださいました。二十冊弱だったので、開場して一時間半後くらいにはなくなりました。もらってくださった方が楽しんでいただけましたら幸いです。
フリーペーパーを配りながら、お声がけもします。でも、両隣のサークルさんのほうにお客さんがたくさんいらしています。両隣さんのほうが、自作のアピールがしっかりしているのでしょう。確かにこのエッセイ『思い出きらきら』も、キッドさんのエッセイの『キッドさんといっしょ。』も様々な話題の日常エッセイですから、アピールポイントが明確ではないのです。キッドさんは文フリ東京のことを書いたエッセイの中で、こう記していました。
>チャーコさん、私とつながりのある方がお越しくださり、また通りがかりに見本を読んでいってくれた方もおられ、有難いこと極まりない…しかし、何を売っているのか、エッセイ集の中身はなんなのか。
主に何を読んで欲しいのかわからないというのが決定的にダメだったと思うので、マジでレバンチャする機会があれば大きいノボリ?ポップ?を作りたいと思った。
これは大きな反省点ですね。エッセイ集を売るのって難しい……。次回同人誌を作るときは、コンセプトやアピールをしっかりしようと心に決めました。
長くなりましたので、後編に続きます。
文学フリマ、一般参加は入場無料なので、行きやすい同人イベントだと思います。




