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思い出きらきら  作者: チャーコ


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おすすめなろう作品『齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~』

作者様の榎本快晴先生に、事前に掲載許可を取っています。

 ある日、なろうの日間総合ランキングを眺めていたら、面白そうな作品を見つけました。


 榎本快晴先生作『齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~』

https://book1.adouzi.eu.org/n9375ea/

 です。


 最初に見たときはもっとタイトルが長くて、ですがめでたく角川スニーカー文庫様より書籍化する運びになったので、そのままのタイトルだと背表紙をぶち抜いてしまうから(これでも)短くなったそうです。作者様のお名前も鯖味噌懐石様だったのですが、鯖より人間がいいと思って改名したらしいです。タイトルと作者名だけで愉快な作品だと察することができますね。


 なろうで絶賛連載中のこの作品、読み始めるととても面白い! タイトル通り、5000年生きた草食ドラゴンのところに、いきなり押しかけ生贄の少女レーコが現れます。図体が大きいだけで、力も弱く、なんの取り柄もないドラゴン。しかしその外見だけは強そうな風貌から、魔王軍の幹部として君臨する邪竜と世間では勘違いをしているのです。レーコは魔王を討つ代わりに、私を食べてくださいと粘ります。風変わりな笑えるギャグを交えながら。


「どうぞこの私をお召し上がりください邪竜様」

「いやあ、そう言われても困るのう。わしって草食なんだけど」

「──私ではお気に召さなかったでしょうか」

「お気に召すとかそういうんじゃなくてね……わし、肉は基本ダメなのよ。魚もあんまり。竹の新芽とかが好き」

「不肖ながら、私も肉は柔らかい方ではないかと自負しております。どうか一度ご賞味あれ」

「いやいやいや。お主、おかしくない? 食べられたら当然死んじゃうのよ?」

「元より覚悟の上です」

「えぇ……なんでそんな覚悟してるの? わしに食べられても特にメリットとかないと思うんじゃけど」


 初っ端からレーコの押しが強いよ! 押し問答の末に、根負けした邪竜様(邪竜じゃないけど)は咄嗟に「魂をちょっとだけ食べた」と嘘をつきます。


「食べられた……それでは私は邪竜様の眷属になったわけですね」

「ん?」


 レーコは邪竜様の眷属になったと思い込んでしまいました。そして──思い込みだけで、潜在能力の莫大な魔力を解放させてしまいます。ビビる邪竜様。そしてそのまま、魔王討伐の旅に(強制的に)邪竜様は連れていかれてしまうのです。


 やたら忠誠心が高いレーコは、邪竜様から力を授かったと、すべては邪竜様のためと、行く先々で面白可笑しい騒動を巻き起こします。邪竜様はレーコにぶんぶん振り回されながらも、レーコを諭しつつ、窘めつつ、軌道修正しようと奮闘しますが……結局は噛み合わないギャグに落ち着くのがこの物語。


 チートな魔力で暴走気味のレーコと、それをフォローする心優しい苦労性な邪竜様の珍道中は一体どうなるでしょう。先が読めない展開ながら、決して残酷な描写などはないので、安心してどなたでも読むことができます。ポンコツで情けない邪竜様ですが、レーコのためにやるときはやる! 頑張ってレーコの暴走を抑えたときの邪竜様の姿には拍手を送りたくなりました。


 それでも邪竜様がレーコのマイペースぶりに巻き込まれている感は否めません。憐れな邪竜様は一体いつ平穏な生活に戻れるのでしょうか。可哀想な邪竜様と最強レーコの、笑いが止まらない勘違い漫才をどうぞお楽しみくださいませ。


 角川スニーカー文庫様から刊行されただけでなく、月刊ガンガンJOKER誌上にてコミカライズも連載中ですので、気になる方はぜひどうぞ! 邪竜様とレーコが生き生きと描かれています。


 私は角川スニーカー文庫様宛で、榎本先生にファンレターと高級チョコレートを送ったのですが、とても喜んでいただけて嬉しい限りです。チョコといえば、いつもはお得な品物だと言う榎本先生は、高級チョコレートに驚いたそうです。インフルエンザにかかっていたらしく、家に食料がなかったということで、チョコレートに助けられたと仰っていました。半分は邪竜様にと送ったので、そちらは手をつけていないそうです。大変な目に遭っている榎本先生と邪竜様に、私のチョコレートがお役に立っていたならば光栄です。


 気さくで楽しい榎本先生の書く『齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~』は、ストーリーも、ギャグも、設定も、面白いことこの上なし! 心地よく笑えるファンタジー作品を読みたい方に心からおすすめします。


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