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思い出きらきら  作者: チャーコ


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新任店長としてのお仕事

 引き継ぎが終わって正式な店長になった途端、アルバイトたちから様々な苦情や意見を言われました。


「お手洗いだけじゃなくて、更衣室の鍵も開かなくなります」

「先輩アルバイトにいじめられています」

「シフトに不満があります」

「……ええーと、はい。対応します」


 片づけと並行しながら、そちらも受け付けます。鍵は本社に掛け合って、工務店の人に来てもらうことに。アルバイト同士の諍いは、よく話を聞いてみることに。シフトの不満はシフトを見直すことに。


「店長ー! トイレットペーパーがありません!」

「はいはーい。買いにいってきますよー」


 店長は何でも屋だと実感しました。私の考えでは、店長は一番の下っ端です。雑用係で、いいように使われる立場です。


 副店長は二十三歳の、若くて可愛い女の子です。働き始めて一年だそうですが、要領がよく、仕事のできる子です。シフトの見直し後に、副店長からアルバイトが裏で文句を言っていたと伝えられました。


「えー。仕事の効率化を図って、終わる時間を早くしたでしょう?」

「それが嫌だと言っています。時給が減ったと」


 よかれと思い、帰る時間を早くしたのに、そんな文句があったとは……。私は朝礼と終礼を行うことにしました。必ず一人一つずつ意見を述べてもらい、情報を共有し、問題があれば解決します。


 この作戦はうまくいきました。みんなの意見をこまめに聞くことは大切ですね。そうでないと、また陰口を言われてしまいます。


 上司からシフト削減も命令されていたので、調整しながらシフトを作ります。自然、無理なシフトになるのは自分自身になります。彼と二か月以上会ってないなと思い出し、久しぶりに会うことにしました。


 彼は少し特殊な公務員です。彼も仕事が忙しいので、会うのが久しぶりでも何も言いません。お互いに近況を話しているうちに、段々と仕事の愚痴になっていきました。


「アルバイトの募集をしても、なかなか応募がなくて、それで忙しいんだ」

「へえー、大変だね。今度覗きに行くよ」

「え? いいよ、来なくても」


 断ったのに、後日彼が職場に来ました。大学時代から付き合っている彼で、S店にも遊びに来た前科があります。

 当然、副店長やアルバイトが彼を見にきます。だからイケメンではありません。


 彼は仕事の本部が近いという理由で、たびたびW店に現れるようになりました。私が出勤すると、副店長から伝言が……。


「昨日、店長の彼氏さん、来ていましたよ。店長はお休みですかって」


 何故か私の職場に興味津々な彼は、すっかり従業員に顔を覚えられています。どうして私のシフトを確認しないの? 来る前にメールしなさい。


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