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思い出きらきら  作者: チャーコ


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店長になりました

 ホワイトデーが終わると、また異動の季節になります。通っていたU店は家から遠かったため、私は異動を希望していました。


 希望が通って、私はW店に異動することになりました。しかも店長です。どうやら仕事に厳しいU店の店長が認めてくれたようなのです。ミスの多い副店長がいたので、自然と私は作業確認するようになりましたし、できる仕事も増えました。今回の昇進は、ある意味副店長のおかげと言っていいかもしれません。


「あなたが行っちゃうと苦労が増えるけど、おめでとう」

「おめでとうございます!」


 店長やアルバイトたちにお祝いされて、大きな花束をもらいました。とても嬉しいです。W店が自宅から四駅なのも嬉しいです。私は疲れていると電車酔いするので、近い店舗になったことは非常に喜ばしいのです。


 ちょっとばかり舞い上がってW店に向かいました。そんな私に上司から、引き継ぎはたったの三日だと釘を刺されました。やはり店長になるからには、気を引き締めていかないといけませんね。



 U店がリニューアル後だったのもありますが──W店は外観も内装も古く感じます。いえ、感じるだけではありません。実際古いのです。古くて狭い。戸棚を開けると、なんだかわけのわからないものがたくさん出てきました。アルバイトに訊いてみます。


「これは何?」

「さあ? 開かずの戸棚なんです」


 開かずの戸棚!? 狭くて物の置き場所がないのに? 引き継ぎもそこそこに、私はさっそく店舗の片づけをすることにしました。


「……その前に、お手洗いに行ってきます」

「あ、ドアの鍵に癖があるから気をつけてね」


 前店長から注意されて、私は首を傾げます。鍵に癖? 一見なんともない鍵に見えますが……。

 ──と思ったら、開けようとしても開かない! 鍵のかけ方を間違うと開かなくなる鍵だったのです。頼みは換気扇から見えるお店の裏口の扉だけ。しばらくして扉が開いたので、私は大声で助けを呼びました。


「やっぱり閉じ込められていたのね。帰ってこないから様子を見にきたわ」

「すみません、ありがとうございます」


 前店長が外からドアを開けて、私を救出してくれました。

 この古いW店は、なかなか手強いようです。


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