表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
思い出きらきら  作者: チャーコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/42

異動先のお店で

 働いていた洋菓子会社の異動時期は主に四月と九月です。まだ二年目なので異動はないかなと思っていましたが、先輩社員の結婚や妊娠で四月も九月も異動することになりました。


 三年目の四月に、隣県のU店に異動になりました。U店は春にリニューアルオープンのお店です。実演販売があるので、私が実演販売主任になってしまいました。


「ええー! 私、ものすごく不器用なんですけど……」


 上司に抗議するも、空しく却下され、仕方なしに工場へ研修に向かいます。工場で必死にケーキやシュークリーム作りの練習をしたのですが、パティシエさんに笑われてしまいました。


「すっごく不器用だね」

「そう言っていたんですけどね……」


 いびつな形では商品になりませんので、なんとか見られるくらいまで上達してから、実演の場に立つことになりました。


 さて、リニューアルオープン当日。混雑が予想されますので、あちこちのお店や本社からお手伝いの社員たちが集まりました。その中に見覚えのある顔が。


「あ、店長!」

「……おう」


 私が大学時代アルバイトしていたS店の店長がきてくれていました。久しぶりに会った割に、店長は不本意そうな表情です。リニューアルオープンなので、みんなキャップ帽をかぶり、子どもたちに風船を配ったりします。──その姿がなんと似合わない店長でしょうか。元々がワイルドな顔立ちなのです。


「お似合いですよ、店長」

「なんだよ、似合わないってわかってんだよ」


 店長の手から風船をもらう子どもは、少しばかり怯えていました。



 リニューアルオープンのお祭り騒ぎも落ち着く頃には、私の実演の腕前もかなり上がっていました。九月に新しい副店長が赴任してきたので、私が実演を教えることになりました。


 この副店長が曲者で──。


「この間教えたのに、パイナップルを乗せ忘れています」

「伝票計算、間違っています」

「予約伝票の個数と発注個数が違いますが、どちらが正しいのですか?」


 毎日何かしらミスをする副店長だったのです。私は店長の言いつけで、副店長の仕事のチェックをすることになりました。何度注意してもミスをしてくださる副店長のおかげで、私はミスに敏感になりました。反面教師というやつですね。


 仕事に厳しい店長と、ミス連発の副店長に囲まれ、私は色々な仕事ができるようになっていきました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ